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文部科学省・現代的教育ニーズ取組支援プログラム「学生参加による世界遺産宮島の活性化−学生が宮島の魅力を再発見し,世界に発信する−」による公開講演会を,以下のとおり開催しました。 |
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日 時 |
平成19年3月27日(火)13:30〜16:00 |
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会 場 |
県立広島大学広島キャンパス大講義室兼講堂 |
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プログラム |
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開会挨拶 |
県立広島大学長 赤岡 功 |
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趣旨説明 |
「世界遺産と大学教育の役割」
県立広島大学人間文化学部長 秋山伸隆 |
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事例報告 |
「世界遺産宮島に学び,発信する活動を中心とした宮島中学校の取組
−地域に学び,貢献できる生徒の育成をめざして−」
廿日市市立宮島中学校教諭 岡本純一郎さん・山崎学肖さん |
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公開講演 |
「ユネスコ協同学校と世界遺産」
ユネスコ本部インターナショナル・コーディネーター
ジークリート・ニーデルマイヤーさん |
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後 援 |
広島県教育委員会/広島市教育委員会/廿日市市教育委員会/広島ユネスコ協会/宮島ユネスコ協会 |
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報告総括 |
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開会に先立って赤岡功学長から歓迎の挨拶と講演者の紹介がおこなわれました。その後,プログラムにしたがって,秋山人間文化学部長による本講演会の趣旨説明,廿日市市立宮島中学校教諭,岡本純一郎さん,山崎学肖さんによる事例報告と続きました。事例報告の最後には,実際に活動に参加した三年生の坂井善充君によってガイドの実演が披露されました。
休憩を挟んで,ユネスコ本部インターナショナル・コーディネーターであるジークリート・ニーデルマイヤーさんによる公開講演がおこなわれました。講演ではユネスコ協同学校の活動と実践事例などが映像資料を交えて紹介され,宮島中学校の実践事例に触れながら,世界遺産を教材とした教育への提言がなされました。
平日の午後の開催であったため参加者は103名とやや少なめでしたが,日本ユネスコ国内委員会委員・教育小委員会委員長の中山修一広島大学名誉教授,同委員・広島ユネスコ協会会長の北川建次広島大学名誉教授,宮島ユネスコ協会会長の井口健氏のほか,廿日市市や宮島の方々,近隣の大学及び学校関係者の参加も見受けられ,本事業への関心の高さがうかがわれました。実践報告,公開講演とも大変好評であり,質疑も活発でした。講演会終了後もニーデルマイヤーさんを囲んで,意見交換が続きました。
以下は各事例報告および講演会の概要です。
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趣旨説明 |
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演 題:「世界遺産と大学教育の役割」
報告者:人間文化学部長 秋山伸隆教授
秋山人間文化学部長の趣旨説明は,国内外に高い知名度を誇る世界遺産宮島が抱える問題点−頻発する自然災害と悪化する自然環境,人口減少と高齢化,文化財の保護と継承に伴う困難−の指摘から始まりました。本取組がめざすのは,幅広い視点で宮島の豊かな歴史や文化に光をあて,学術研究をすすめることが可能な人間文化学部の特性を活かした研究・教育活動です。また,宮島が抱える諸問題を直視し,地域住民とともに「世界遺産と共生するまちづくり」「国内外と交流するまちづくり」,すなわち観光振興や国際交流の推進,文化財や自然環境の保全と次世代への継承,地域が抱える諸問題の解決に貢献することであり,同時に諸問題の解決に貢献できる行動力と実践力のある人材の育成をおこなうことにあります。報告では,採択にいたるまでの研究活動や公開シンポジウムの開催,採択後に展開してきた,学生を現地に伴ってのフィールドワークや学術調査および研究,広島市と現地宮島における公開講座の開催など,通称「宮島プロジェクト」が進めてきたこれまでの活動内容が紹介されました。
そして,「過去を振り返り,今を知り,未来を考える」というコンセプトのもと,フィールドワークや学術研究を学生とともにおこない,その成果を公開講座の開催やHP等を通じて積極的に発信するといった活動を,三年間にわたり実施する計画であることが披露されました。
世界遺産を守り,次代を担う若い世代に伝えていくことが今を生きる我々の責務であることを強調し,「世界遺産教育」の必要性を指摘して報告は終えられました。
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実践報告
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演 題:「世界遺産宮島に学び,発信する活動を中心とした宮島中学校の取組―地域に学び,貢献できる生徒の育成をめざして−」 報告者:廿日市市立宮島中学校教諭 岡本純一郎さん・山崎学肖さん 同校三年 坂井善充さん
宮島中学校の実践報告では,まず,岡本純一郎教諭と山崎学肖教諭により「みやじまタイム」と名付けられた総合的な学習の時間を利用した世界遺産教育,「世界遺産宮島に学び,発信する活動を中心とした取組」が紹介されました。生徒たちは各学年の習熟度に応じて「宮島の歴史・伝統・文化・自然」を学び,「宮島を愛し,守ろうとする人々の想い・働き」を知り,時に実際に体験し,そしてそれらの活動を通じて得た経験に基づいて自らのことばで「宮島のすばらしさを発信する」ことの大切さを知ります。この教育の目的は「地域に学び,貢献できる人材の育成」であり,生徒一人一人が「未来を切り拓く主人公」となることですが,そのための具体的な実践,世界遺産を教材とした教育の取組が映像資料を交えて報告されました。生徒たちが自ら作成した英文パンフレットやクイズを用いて観光客に英語でガイドをおこなう姿が映し出されると,身を乗り出して映像に見入る参加者もありました。
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報告に際しては,会場内に生徒たちが作成した英文パンフレットが配布され,最後に,活動に参加した三年生の坂井善充さんが活動を通じて学んだことや苦労したこと−英訳や説明のために,教科書には出てこない多くの単語や表現を学ばなければならなかったけれども,そうした苦労をはるかに凌ぐコミュニケーション能力の上達が大きな喜びと自信につながったこと−について報告しました。そして,英語による宮島ガイドの実演をおこない,会場内の喝采を浴びました。
報告後の質疑では,宮島中学校の取組を評価する声と学校教育が果たすべき役割についての発言が相次ぎました。
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公開講演 |
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演 題:「ユネスコ協同学校と世界遺産」 講演者:ユネスコ本部インターナショナル・コーディネーター
ジークリート・ニーデルマイヤーさん
ニーデルマイヤーさんの講演は「ASP(ユネスコ協同学校)とはなにか」「ASPの実践事例の紹介」「世界遺産について」の三部で構成されていました。
「ASPとはなにか」では,教育の質の改善・質の高い教育実践の共有・異文化学習をめざす世界を包括する学校ネットワークであり,2007年現在,177ヵ国約8000校が加盟していることが紹介されました。国連や各国の諸組織との関係のほか,教育の質を高めるためにおこなわれている実験的教育の実践,生徒参加型の学習方法の構築,教師の能力開発の支援,教材開発とその手順などをわかりやすくお話しになりました。
そのうえでこれまでの実践事例として,JICAの支援を受けて実演した広島プロジェクト(2004-2006),国連諸機関との協同によって開発された四つの教材,また基幹プロジェクトの例としてバルト海プロジェクトや16ヵ国が関わったカリブ海プロジェクト,さらに若者による世界遺産プロジェクトによって開発された教材,複数の学校が協同しておこなったモンディアロゴの事例など,多くの成果を紹介されました。
そして「世界遺産を教材とした実践」については,学習や研修の様子を交えて少し詳しくお話しになり,コンペティションを経てアニメ化された教材のうち特にすぐれたふたつの作品をビデオで紹介されました。併せて宮島中学校の実践例を高く評価されました。
最後にユネスコが「持続可能な開発のための教育」に関わって進めている10年計画の取組のいつくかを紹介されたのち,協同学校の取組の重要性および宮島中学校と問題を共有する他地域との連携の可能性に言及されました。協同学校の主人公は「生徒」と「教師」であること,コーディネーターとしてのユネスコの役割を強調して,講演を締めくくられました。
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引き続きおこなわれた質疑では,地球温暖化と持続可能な開発のための取組の重要性についての意見,宮島と協同可能な事例についての新たな提案,日本ではあまり知られていないユネスコの取組についての啓発とネットワークづくりの必要性についての提言が出され,講演会は好評のうちに終了しました。
なお,本講演の前日,ニーデルマイヤーさんは,本学教員の案内で,世界遺産原爆ドームと平和記念資料館,宮島・厳島神社を視察されました。講演の前に,平和公園では平和を希求することの大切さを改めて認識されたこと,宮島では風景のすばらしさ,厳島神社の規模の壮大さ,宮島の人々のもてなしの心に深い感銘を受けられたことをお話しになりました。
講演に際しては人間文化学部の志鷹英行教授が通訳にあたりました。
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