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国際文化学科 岡本弘道准教授(東アジア地域史論担当)の在外研究便り

印刷用ページを表示する 2015年9月4日更新
みなさん、こんにちは。私は4月から台湾の台北市にある中央研究院・人文社会科学研究センターで、学外研修に従事しています。到着した日は4月上旬にもかかわらず、既に最高気温が30度を超えていて、さすが亜熱帯ならではの気候に、慣れるまでしばらくかかりました。ただ、真夏の暑さが早くやってくることを除けば、台風の被害等を含めても、日本の気候とそれほど違いがあるわけではないように感じます。

私が滞在している中央研究院はもともと、中華民国の最高学術研究機関として1928年に設立されました。南京をはじめ中国大陸各地に研究所を設置していましたが、日中戦争や国共内戦の影響で度々移転を余儀なくされ、内戦に敗れた国民党政府が1949年に台湾に撤退する際に、その蔵書・資料の多くも台湾に移送されました。現在の中央研究院は、数理化学・生命科学および人文社会科学の三部門に計31の研究所・研究センターを持つ巨大な研究組織です。国際的な学術交流も盛んで、また若手研究者を育成する役割も担っているため、大学ではないにもかかわらず台湾人や外国人留学生など若者の姿も多く見かけます。

院内では部局を超えた研究プロジェクトや学会・研究会などが盛んに行われています。私も去る7月13日に、「琉球王国の対外活動が琉球諸島の社会に与えた影響について」というテーマで講演を行いました。台湾・中国・日本だけでなく韓国や東南アジアなど多彩な地域を研究領域とする研究者と活発な意見交換を行うことができ、有意義な経験となりました。9月にはまた別のテーマで講演を行う予定です。

在外研修として与えられた期間も残り少なくなりましたが、できるだけ多くの知見・経験を得て、今後の教育・研究活動に役立てたいと思います。
中央研究院構内の風景