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ひろしま里山活性化シンポジウム「地域おこし協力隊×学生」』を開催しました

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年1月23日更新

 平成3019日(火曜日)の午後,サテライトキャンパス広島にて,『ひろしま里山活性化シンポジウム「地域おこし協力隊×学生」』を開催しました。山口県,岡山県,高知県からも参加者があり,本学関係者を含め定員100名近くの参加がありました。アンケート結果においても「大変満足した」,「満足した」,「大いに活かせる」,「活かせる」が8割以上を占めました。

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         原田副学長挨拶                             開会の様子

第一部 講演会 講師 有限会社エコカレッジ代表取締役 尾野寛明

【演 題】あなたは自立「したい」のか,自立を「求められている」のか?~「起業しなくても良い塾」から見た協力隊の3年後 

 尾野さんからは,(1)三年後の自立について「起業」というものにとらわれているが,起業以外で地域に住み続けた人も多く,周辺地域で仕事を得るなどして住み続けることへの支援が重要,(2)自立は手段であって,自立した個人が地域課題に取り組むことが目的だが,手段が目的化してしまっている,(3)今求められているのは課題解決能力ではなく,課題「設定」能力である,(4)一人ひとりの学生に学びの機会を提供し,成長を喜べる地域には,人は来る,(5)多様な層の人々と交わることで成長するなどの考えが提示されました。これらは,シンポジウムやワークショップの議論を決定づける重要な考えでした。

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第二部 「地域おこし協力隊×学生」シンポジウム

 【パネリスト】 

有限会社エコカレッジ代表取締役     尾野寛明

兵庫県朝来市役所あさご人財創生係長 馬袋真紀

広島県中山間地域振興課長      木村富美

元地域おこし協力隊員            高林直樹

本学副学長                              原田俊英

 「三年後の自立」では,都会目線でやりたいという思いだけでは自立できないとの意見が出た後,最終的には地域に来る前に地域が望んでいることと,隊員が行いたいこととのマッチングがとても重要だという議論になりました。「行政との連携」では,一生懸命働く人が行政には多いが,ただ,もう少し勉強する必要があるという声に対して,市民の声を聴いても課題を課題だと気づかない職員も多く,生活者の視点で地域のことを考えるべきだとの意見が出ました。

 また,地域で隊員を支える「後見人」のような人が,そして行政にも隊員の相談にのってくれる人が必要との意見が出ました。「学生とのコラボ」では,地域おこし協力隊と学生とのコラボは良い視点であることがパネラーの間では共有されたのち,授業やアルバイトで忙しい学生の状況に目を向けること,無償がボランティアと考えるだけではなく,さまざまな形で学生を如何に「つり上げる(良い意味で)」かをきちんと考えるべきだとの意見が出ました。

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 第三部 ワークショップ

行政との連携】

 行政へ向けてでは,隊員もだが,行政も勉強が必要である点が指摘され,課題発見能力を身に付けるためには,小さな成功体験を積み上げることが重要で,その積み上げが,次の人に成功事例を教育していく源となるという意見が出ました。また,行政の現場の人には,上司を納得させるだけの,地域に問題がないという認識に対して危機感を持つ力が必要だという指摘もなされました。

 地域に向けてでは,地域も隊員もビジョンをしっかり持つことが重要であり,自分たちで自分の街をつくるという意識や,地域おこし協力隊の導入には相応の覚悟が必要との意見が出ました。また,隊員も地域のこのような問題に協力するという意識が必要で,導入前に互いの面接が不可欠であるという点も指摘されました。地域を元気にするという目的のための協力隊導入であって,隊員はその目的のためのアプローチのひとつに過ぎず,地域おこし協力隊という手段が目的へと入れ違ってはよくないとの視点も提示されました。

 隊員へ向けては,隊員が地域に来るメリットは地域にない情報を持ってくること,新しい風を起こすことであるが,その場合でも隊員は,その地域が大事にしているものは,大切にすることが必要との意見や,隊員の個性が強烈なのも良くなく,地域に必要ないものでも,自分の理想,思いだからと地域の実状を無視して,行うのは問題だとの考えが提示されました。

 地域の目的と隊員の自己実現とが一致することが重要で,それが,協力隊と地域のウィンウィンの関係へとつながるという結論になりました。事前のマッチングの重要性と,行政と隊員の切磋琢磨が確認されたワークショップとなりました。


【三年後の自立】

 最初に3年という期間が短いか長いかという問いが隊員に向けてあり,短いと時間はあまり関係ないという答えに分かれました。長いと回答する隊員はいませんでした。

 短いと答えた隊員からは,行政から与えられた課題があまりにも大きい問題で,それを解決するには短すぎるという意見が出ました。自立については,三年後に自立することを視野に一年ごとに何をするかを決めそれを実現することで自立した事例が披露されました。このような考えだと時間が早く過ぎるということでした。別の隊員からは,自分が好きなことがあり,そこから現在の居住地を決め,好きなことと関わるためにその地域で残れるように起業ではなく,組織に自己をアピールしていると経験も紹介されました。なお,3年という期間をもっと長くすべきだとの意見は出ませんでした。

 その一方で,自分の担当者が1年ごとに代わり,自分の考えを理解してくれた担当者が来てくれたと思ったら,もう3年目で不十分な活動しかできなかったという意見も隊員から出ました。その隊員は,自分が今の地域に継続して住むことは想像できないということでした。また,赴任した初年度は予算がすでに決まっており,自分で計画を立て,できたのは実質2年しかなく短いと感じる隊員もいました。さらに,行政の担当者が,隊員が対処している問題に関心がないと発言するなど,隊員のやる気をそぐ経験を語った隊員もいました。地域との関わりでは,人間関係もできて,その地域に残ることを考えるウェット派と自分のしたいことがあれば違う地域に移るというドライ派がいました。

 全体的に自分が行いたいことと地域が望んでいることの一致,それをバックアップする体制が,三年後の自立,地域に住み続ける重要な要素であることが理解できました。また,副業が認められる,認められないなど,隊員の待遇の違いも指摘され,住み続ける糧を副業で得た隊員の話も出ました。

 隊員の自己実現と地域や行政とのつながりの重要性,必要性が確認されたワークショップとなりました。


「学生とのコラボ」

 祭りやイベントに単に動員するというのは良くないという点で認識がまず一致しました。学生からはボランティアやまちづくりに学生が魅力を感じるシステム作りの提案がなされ,地域で受け入れ体制があると学生も参加しやすいとの意見が出ました。具体的には,学生がやりたいと思えるイベント,大学が授業でボランティアへのハードルをさげる試み,市の部長などが大学で授業を行うこと,市町のPrに大学も参加する等が提示されました。隊員からは学生が楽しくなるもの,ともに楽しめる場をつくったという経験も語られました。

 「大学は地域と学生とをどうしたいのか」という問いに対しては,アクティブラーニングで学生が自ら学ぶ力をつけたい,大学の地域連携のプロジェクトでも学生を参加させるようにしているなどが回答されました。また,他の大学は地域にラボがあり,学生と地域の密着があるが,県立大学はそれに関心が薄い気がするという意見や,学生を管轄する部署と地域連携の窓口(センター)が別でやりにくいという意見も出ました。一方で,学生が地域に関わるきっかけとしては,授業や先輩からの勧誘というもので,大学が地域に学生を出すうえで果たす力が確認されると同時に,積極的にボランティアで地域に出る学生の話も紹介されました。授業が終わると地域との関わりがなくなるという問題点やブラックボランティアという課題も指摘されました。大学もそのようなボランティアに学生が参加しないように努力しているということでした。

 最後に隊員から,地域「おこし」ではなく,「楽しむ」というのが人も集まり,続くという意見や地域の人が地域連携センターを利用できるように親しみが持てるような工夫や自然に学生と市民が出会うような場づくりが必要という考えが提示されました。

 学生の主体的関与を生み出す工夫,ブラックボランティアから学生を守る制度,地域と大学が自然に触れ合う場の構築の重要性が確認されたワークショップでした。


【ワークショップの様子】

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      グループ1 行政との連携                  グループ2 三年後の自立

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      グループ3 学生とのコラボ

 
 

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