当研究室の学生向け 研 究 テ ー マ

 〜細胞死制御工学・・・人体での細胞死を人為的に抑制または促進するバイオ技術〜

研究方針

(1)老化とガンの防御、および、皮膚防護と美白・・・これらを細胞工学/遺伝子工学的手法で具現することを目指す。
・ヒト由来の血管細胞・脳神経細胞・皮膚細胞の細胞老化を防御し、細胞寿命を延長させる。
・ガン殺傷活性を持ち、ガン転移・ガン浸潤を防ぐ抗ガン剤と抗ガン健康食品を開発する。
・皮膚防護薬・化粧品素材の各種薬効として、メラニン抑制(美白)、UV傷害防御、シミ/タルミ防御(コラーゲン構築)、物質代謝改善・セルライト(皮膚表面 凸凹脂肪塊)抑制を評価する技術を開発する。

(2)人体の血管・脳神経・皮膚への細胞死抑制遺伝子の導入・・・
  導入する遺伝子として:
・フリーラジカル(癌や老化の元凶;活性酸素)を消去する最強の前衛隊であるビタミンC(アスコルビン酸)を再生してリサイクルさせる遺伝子DHAR
・ビタミンCをフリーラジカルとの戦場である細胞内部へ取込ませる遺伝子SVCT
・細胞死を引き起こす経路(ミトコンドリア膜の開孔)を遮断するbcl-2遺伝子(ヒト第18染色体にある遺伝子)
・ミトコンドリア膜を保護して細胞死を防ぐPH-GPx遺伝子

これら4種の遺伝子を介して、下記の各種の細胞死抑制を果たし、その分子・遺伝子発現メカニズムを解析することを目的とする。

研究テーマの例
 
下記テーマの中から学生の希望に添って相談しながら選択する:

1) 老化に伴うテロメア(染色体DNA両端構造)短縮化の人為的防御、および、細胞寿命の延長ヒト脳血管内皮細胞や神経細胞は加齢に伴ってテロメア短縮化を受け寿命が尽きるが、細胞内フリ−ラジカル(FR)抑制によってテロメアを維持し細胞老化を防ぐ。水溶性FRと油溶性FRのどちらを消去すると老化防御へ導くか、細胞内での局在性も調べる。

2) 遺伝子治療モデル・・・動物個体への直接的なbcl−2遺伝子(細胞死を防ぐ遺伝子)の細胞内導入
 動物個体への遺伝子導入は培養細胞や微生物に比し技術的に難しい。未来型の遺伝子治療法となるHVJ/HMG-1-リポソ−ム法によって効率的にbcl  -2遺伝子を導入し、虚血疾患(心臓血管疾患、脳血管疾患などで起こる臓器への血流停滞)による細胞死を防ぐ。

3) 癌転移・浸潤に対する細胞内易入型アスコルビン酸(細胞内へ取り込まれやすいビタミンC)の抑制効果
 正常細胞への副作用を排除し、癌細胞内フリ−ラジカルの消去を介した斬新な癌治療薬を検索する。ガン転移を制する者がガンを制する。ガン転移に必要なガン細胞の運動能、および、ガン細胞の通り道を作るMMP(細胞間基質を溶解する酵素)を封じる。

4) 紫外線(UV)による皮膚DNA傷害、および、プロビタミンC&Eによる防御
 ヒト皮膚培養細胞や人工皮膚にUV照射すると細胞死が起こる。細胞内ビタミンC&Eを高濃度化する未来型化粧品を開発して、UV由来フリ−ラジカルを消去して細胞障害を防ぐ。併せて、p53,p21遺伝子発現、転写因子NF-κB,シグナル伝達因子MAPキナーゼ遺伝子ファミリーの消長を調べる。

5) コラ−ゲン増産力のある新規プロビタミンCによる皮膚のニキビ・シワ・タルミ防御
 皮膚における細胞間質であるコラ−ゲン(強度を保つ蛋白質)とエラスチン(弾力性を保つ蛋白質)を増産させて構築強化するプロビタミンCを開発し、皮膚老化を防御する未来型化粧品を創製する。

詳しいテーマ内容は、電話・Fax・ E−mailなどで気楽に問いあわせてください。