Go-Back-N ARQ 方式を用いた流星バースト通信システムの遅延特性
陳 春祥 小松 雅治 天野 橘太郎
あらまし: 流星バースト通信は,流星が大気圏に突入した時,
生成された細長い電離気体柱(これを流星バーストと呼ぶ)によるVHF電
波の反射現象を利用した見通し外通信であり,運用の簡単さや経済性など
の利点を持っている.しかし,通信路のオンとオフが確率的に変動してい
るので,伝送中のパケット誤りと通信路の途絶によるパケットの消滅を制
御することが不可欠である.本稿では,流星バースト通信システムにおい
て誤り制御方式としてGo-Back-N ARQを用いた伝送プロトコルを考える.
そして,メッセージの送信過程を通信路の確立,メッセージの送信と通信
完了承認の3段階に分けて,メッセージの遅延特性の解析を行なっている.
更に,解析とシミュレーションに基づいて遅延特性の性能評価を行い,流
星バーストの継続時間,システムのタイムアウト時間,伝送速度と遅延特
性の関係を明らかにする.
キーワード: MBC,ARQ方式,遅延時間