○広島県公立大学法人における大学発ベンチャー企業を対象としたライセンス等の対価として取得する株式等取扱要領

令和7年4月1日

法人要領第11号

(趣旨)

第1条 この要領は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20年法律第63号)第34条の4及び第34条の5に基づき、広島県公立大学法人(以下「法人」という。)において、広島県公立大学法人県立広島大学発ベンチャー支援に関する規程(令和5年法人規程第76号。以下「県広大ベンチャー規程」という。)第3条第1項第4号及び広島県公立大学法人叡啓大学発ベンチャー支援に関する規程(令和7年法人規程第25号。以下「叡啓大ベンチャー規程」という。)第3条第1項第4号に規定する、県立広島大学及び叡啓大学(以下「本学」という。)におけるベンチャー企業の育成支援として、本学の研究成果等に係るライセンス等の対価を現金に代えて株式等で取得及び保有する場合の取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(2) ライセンス等 知的財産権の譲渡及び提供又は実施権の設定、実施許諾及び利用許諾をいう。

(3) 株式等 株式及び新株予約権をいう。

(4) 大学発ベンチャー企業 県広大ベンチャー規程又は叡啓大ベンチャー規程により支援の決定を受けた大学発ベンチャーであって、株式会社の法人設立形態をとるものをいう。

(5) インサイダー取引 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第166号に規定する会社関係者の禁止行為をいう。

(株式等の取得)

第3条 法人は、大学発ベンチャー企業からライセンス等の対価の全部又は一部を株式等により取得することができるものとする。

(取得の条件)

第4条 前条の規定により株式等を取得することができるのは、当該大学発ベンチャー企業の事業が本学の研究開発の成果及び社会実装を促進することを期待できると認める場合で、かつ、大学発ベンチャー企業が次のいずれかに該当し、対価として株式等による支払の申出があった場合とする。

(1) 対価に相当する現金を保有していないもの

(2) 対価を現金で支払うことによって、資金繰りに窮すると認められるもの

(3) 対価を現金で支払うことが経営に重要な影響を及ぼすと認められるもの

(4) その他対価を株式等とすることが適切であると第5条における審議を経て理事長が認めたとき

(対価としての株式等による支払の申出)

第5条 大学発ベンチャー企業が、対価として株式等による支払の申出を行う場合は、理事長に株式等による収益事業対価支払申請書(様式第1号)を提出しなければならない。

第6条 理事長は前条の申請があったときは、大学発ベンチャー企業に対し支援を行う大学の学長に申請の採否を諮るものとする。

(審議・取得の決定)

第7条 前条の規定により理事長からの申請の採否を諮られた学長は、県立広島大学にあっては、県広大ベンチャー規程第8条第1項に規定するベンチャー支援審査会、また叡啓大学にあっては叡啓大ベンチャー規程第9条に規定するベンチャー支援審査会に諮問する。

2 前項の各大学のベンチャー支援審査会は、必要に応じて外部有識者に当該事業の収益性などの意見を聞き、その審議結果をそれぞれの大学の学長に答申する。

3 前項の答申を受けた学長は、同項の審議結果に基づき、第5条の申請の採否を理事長に答申する。

4 理事長は、前項の答申を受けたときは、経営審議会及び役員会の承認を経て、第5条の申請の採否を決定し、その結果を申請者に通知(様式第2号)するものとする。

5 前項の規定により株式等の取得を決定したときは、株式等の取得について契約書を取り交わし、当該株式等を取得するものとする。

(株式等の管理)

第8条 株式等を適切に管理するために管理責任者を置き、事務局長である理事をもって充てる。

2 管理責任者は、広島県公立大学法人会計規程(平成19年法人規程第79号)の定めるところにより適切に管理するものとする。

(新株予約権の行使等・株式の売却)

第9条 管理責任者は、新株予約権の目的となる株式の売却が可能である場合には、速やかに新株予約権の権利行使及び取得した株式の売却(以下「処分」という。)を決定するものとする。ただし、次に掲げる場合にあっては、当該新株予約権を必要な期間保有し、適切な時期に処分を決定するものとする。

(1) 当該新株予約権を発行した大学発ベンチャー企業が未上場であるとき

(2) 当該新株予約権を発行した大学発ベンチャー企業が国内外の金融商品取引所に株式上場することとなった場合において、当該金融商品取引所又は当該企業から一定の期間継続して保有するよう求められたとき

(3) 一斉かつ大量に売却することで当該株式の急激な価値の下落を招くおそれがある場合

(4) 行使価額が売却価格を上回ると見込まれる場合

(5) その他特段の事情が存在する場合

2 前項の規定にかかわらず、管理責任者は、次に掲げる場合には、本学のベンチャー支援審査会の意見を聞いて、適切と認める時期に新株予約権の変更、処分、譲渡又は権利放棄を決定することができる。ただし、当該新株予約権を発行した大学発ベンチャー企業が未上場であるときに限るものとする。

(1) 当該新株予約権を発行した大学発ベンチャー企業が株式上場の見込みがないと認められる場合

(2) 当該新株予約権を発行した大学発ベンチャー企業について組織再編により再編対象会社の新株予約権が交付されない場合

(3) 当該新株予約権を発行した大学発ベンチャー企業が倒産等によって、新株予約権が財産的価値を有しないことが明確になった場合

(4) 当該新株予約権を保有することが本法人の業務運営上著しく不利益であると認められるとき

(5) 新株予約権の権利の変更、処分、放棄等を大学発ベンチャー企業から求められたとき

(経営参加の制限)

第10条 法人は、取得した株式に基づく当該大学発ベンチャー企業の経営に参加する権利については、次に掲げる場合を除き、原則として行使しない。

(1) 当該権利を行使しないことが当該大学発ベンチャー企業の経営に著しい影響を与える可能性があると考えられるときその他の例外的かつ緊急避難的なとき

(2) 株式等に基づく株主総会における剰余金の配当を受ける権利その他の大学発ベンチャー企業から経済的利益を受けることを内容とする権利を行使するとき

(インサイダー取引等の防止)

第11条 管理責任者は、インサイダー取引にかかる規制その他の関係法令に基づく規制を遵守し、株式を発行する企業に出資、兼業又は共同研究等を通して関与する役職員等からの情報によって、本法人が管理する株式の売却時期等を恣意的に操作してはならない。

2 管理責任者は、株式等の適正な売却を行うため、専門的知識を有する者から株式等の発行会社に出資、兼業、共同研究等を通して関与する役職員等に対して、インサイダー取引に該当しないか等、株式の保有状況等を個別に調査し、又は確認するものとする。

3 管理責任者は、インサイダー取引を防止するため、外部金融機関への預託等により、必要な措置を講じる。

(補償金)

第12条 知的財産権の実施許諾等の対価として株式等を取得した場合における実施許諾等の対価に係る補償金の取扱いについては、知的財産権取扱規程第14条から第16条までの規定を準用する。この場合において、知的財産権取扱規程第15条第1項中「収入を得たとき」とあるのは、「株式等を取得した後、その株式等を売却し金銭を受領した場合」と読み替えるものとし、同項第1号および第2号中「収入を得た場合」とあるのは、「株式等を取得した後、その株式等を売却し金銭を受領した場合」と読み替えるものとする。

(委任)

第13条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、別に定める。

この規程は、令和7年4月1日から施行する。

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令和7年4月1日 法人要領第11号

(令和7年4月1日施行)