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【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声-稲垣研の卒業生(2)

印刷用ページを表示する 2022年10月13日更新

  卒業生たちが社会でどのように活躍しているかを紹介する "【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声"、8月までで28人もの卒業生に書いていただきました。9月に入ってからも、奥研究室、山下研究室(3) (4)松崎研究室と紹介しています。

    今回は、稲垣研究室の卒業生2名を紹介します。

木下裕太さん(Max Value、生命環境学部生命科学科卒業) 

木下君

木下裕太​さん(大阪府立池田​​高等学校卒 2018年3月 生命環境学部生命科学科卒業) 

 私は現在、卸業Max Valueで水産担当チーフとして働いています。大学では、食事性肥満による大腸がん発生過程への影響をテーマとして取り組みました。稲垣先生からは消化管研究だけでなく、文章会話の言葉遣い、人との接し方、社会常識、さらに一生懸命に仕事へ取り組むとはどういうことかについてご指導いただきました。その中で、研究を通して3つのことを今の仕事に活かしています。

 

1.「仕事のリストアップ、タイムスケジュールの持続」と新しい発見

 実験は準備で8割は決まると教えられ、実験前の準備に1日かけたこともありました。実験後はデータを整理と解析し先生とディスカッションをしますが、先生は、結果がうまく出ない時こそディスカッションが必要であると強調されており、今社会に出てその意味が身に沁みてわかります。先生とのディスカッションの時にはデータだけでなく、「最近、こんな論文が出ているよ」など話してくださいます。今でもよく覚えていることは、卒論の最中にハーバード大学から似たような実験系の論文が発表されました。しかし、稲垣先生は「この論文は、私たちと視点が違う。木下君はハーバードの見ていないところを見つけたよ。」とおっしゃった時は、本当に嬉しかったです。これは今、有田先輩のデータと共に、最近発表になりました(Kinoshita, Arch Biochem Biophys., 2022)。稲垣先生のお考えである、「研究は、ナンバーワンだけでなくオンリーワンが重要。」は、会社でもオリジナリティの高い「オンリーワン」の売り場作りに役立っています。

 

2. 自分の目で見ることの大切さ

 稲垣先生の研究の基本は、「病気の現場を見る」ことです。数ミクロンに薄く切った組織切片を染色・観察し、組織で異常な部位を見つけた時、実際に目で見ることの大切さを学びました。教科書や論文やネットでどれだけ見ても、自分の目で見る本物は全く違いました。また顕微鏡で、正常組織とがんや炎症部位は明らかに違い、自分の目で見て初めてわかることだと実感しました。現在の職場では、売場の作り方や商品化が綺麗な時とそうでない時は、明らかに売上が変わってきます。これはデータだけでは見えない部分であるため、「売り場の現場を自分の目で見る」ことの重要性を感じます。

 

3. 勉強の仕方を学ぶ

 私は授業の勉強はあまりしませんでしたが、実験室での勉強はとても興味がありました。実験の意味、データを見るために、英語の論文を読んで普段の実験と結びつけることを学びました。切片を観察しても知識がなければ異常にも気付きませんが、先生に病変部位の組織や細胞の見方、その意味を論理的に教えていただき、よりよく理解でき、自分でもそのような部位を見つけられました。データを見るときも、その意味が理解できていなければ、ただの数字でしかありませんが、理解できればよりよい結果を生み出すことができます。職場においては、製品の陳列にも意味があり、場所を少し変えるだけでも売り上げは違います。稲垣先生は「社会に還元できる研究」とおっしゃっていました。私は高脂肪食だけでなく薬にも興味があったので、卒論とは別に、先生にお願いして宮崎大学医学部との共同研究に参加させていただきました(炎症性腸疾患の候補薬の機能を明らかにするプロジェクト)。この薬でこんなに腸炎が改善されるのか、もし患者さんに投与すれば、どれだけの患者さんが救われるだろうと興奮しました(Kinoshita, Human Cell, 2019)。

 

4. 研究室と社会の共通性

 稲垣先生から学んだことは企業に入社後、研修などで教えられた「PDGAサイクル;(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」と同じ考えだとわかり、稲垣先生の教えは正しかったと思いました。私は現在、新入社員を部下に持つ立場になり、下を指導することの難しさも感じております。そのような時に大学時代ご指導いただいた稲垣先生のお言葉を思い出しながら、時には研究室に伺ってお話をする時に、「ああ、そうだ」とあらためて思うことがあります。

 最後に一言、在学生、そして県立大を目指している学生さんに言いたいことは、「大学や研究室に入る目的は何か」ということです。漠然とした気持ちではなく、自分の目的をしっかり持ち、好きなことを見つけ、大学で思い切り夢を膨らまし、自分の希望を実現してください。

 

小川拓実さん(医療機器メーカー、生命環境学部生命科学科卒業)

小川君

小川拓実​さん(愛媛県立新居浜東​​高等学校卒 2021年3月 生命環境学部生命科学科卒業) 

Q.現在の仕事について

 医療機器メーカーに勤務し、医療機器の承認など、国への申請業務及び、申請に必要なデータを取る為の試験業務に携わっています。試験は、効率よく行動しないと1日では終わらないほど量があり、間違いは決して許されない為、事前に流れを考えて業務をしています。

 

Q.大学の頃はどのように過ごしていたか

 胃がん発生過程における胃内細菌の変動というテーマに取り組んでおり、日々実験を行ってきました。研究室では、稲垣先生や大学院生だった有田先輩から実験を教わりました。私自身、物覚えが良くありませんでしたが、根気強くご指導いただきました。貴重な遺伝子改変マウスや長期間高脂肪食を与えたマウスなど、どのマウスも丁寧に世話をし、間違いなくサンプリングをできるように解剖練習や実験をするようにと何度もご指導いただきました。教えていただいたらすぐに実験の練習を繰り返し、最後はできるようになりました。肥満や胃がんのマウスで、胃内細菌叢が劇的に変化するデータを自分でも出せるようになった時は、とても嬉しかったです(Arita, Nutrients, 2019)。4年生になってからは、私が実験を教える立場となったため、先生や先輩が私にしてくださったように、間違ったところはしっかり注意し、根気強く最後まで後輩に教えました。たまに研究室で昼食会や誕生会などしますが、その時の先生や皆との話も面白かったです。メリハリのきいた学生生活だったと思います。

 

Q.研究室で学んだことが仕事にどう活かされているか

 活かされている点を2点あげたいと思います。

1.後輩への指導力
 私も今年で入社2年目となり、別の課ではありますが後輩ができ、先輩社員となりました。稲垣先生から、「人への指導は、一度教えて終わりではなく、相手が出来るようなったのを確認するまで」と教わり、仕事でも実践してきました。そのおかげで、新入社員への薬機法(医療機器に関わる法律)の研修、試験の指導、電話対応の研修指導員を任されるようになりました。

2.タイムスケジュールの作成
 「現在の仕事について」でも書きましたが、試験の量が多く、効率よく動かなければ就業時間内に終わりません。しかし、サンプルの関係上1日で終わらせる必要があり、効率が悪ければ残業となってしまいます。そこで、私は1つの試験の待ち時間に別の試験を行うなど、事前にタイムスケジュールを作成し効率よく動くことができるようにしています。これも稲垣先生からいつも言われていたことですが、学生の頃からしっかり教えていただいたことは、本当に大きいと思っています。

 

Q.最後に一言

 研究室で学べることは、実験だけではありません。研究室は社会の縮図と言えます。将来、研究職や品質管理など試験を行う業種に就く予定がない人でも、真面目に実験など研究室ワークに取り組めば必ず社会に出てから活かせます。息抜きは大切ですが、せっかく研究室に配属になるのですから、遊ぶだけでなく、将来を見据えて何かを学べるように頑張ってみてください。

 

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さらに詳しく知りたい人はこちら

 

生命科学コースHP

大学院生命システム科学専攻HP

 

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