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受験生の皆さん、県立広島大学の生物資源科学部(庄原キャンパス)は大きく分けて3つのグループで構成されています。生命環境学科生命科学コース、生命環境学科環境科学コース、そして2020年度に新設された地域資源開発学科です。それぞれに特色がありますが、その中でも生命科学コースは特にアカデミック(学問を純粋に追及する姿勢)色の強いグループといえるでしょう。世の中の役に立つ研究をやる、というよりは、自分が純粋な興味に突き動かされてやっている研究がいずれは世の中の役にもたつはずだ、という姿勢です。
我々生命科学コースの教員は、この大学の知名度が、それほど高くないことをよく知っています。しかし研究は違います。サイエンスに大学名は必要ありませんし、成績が下位の学生が、実験には意外な集中力や想像力(生物学の研究に最も大切なものの一つです)を発揮する姿を何度も見ています。どこにいても面白い研究はできるのです。我々は、他の誰かのまねではなく、東大や京大でもできないユニークな研究をやっていきたいと考えています。
このページでは生命科学コース教員の情報をまとめました。研究の内容を完全に理解するのは難しいかもしれませんが、研究室ホームページ、一般向け研究内容紹介、高校生向けの講義ビデオやメッセージなどを見て、生命科学コースの研究を感じてください。
皆さんも、生命科学コースで研究に没頭し、大学の偏差値など関係のないサイエンスの世界に飛び込んでみませんか。
研究の概要
当研究室では、胃がんを中心とする消化器がんや炎症の発生及び悪性化進展メカニズムの解明を目指しています。遺伝子改変マウスを作製したり、日常的に摂取する高脂肪食摂取がどのように消化管のがんや炎症を引き起こすかを調べています。消化管内細菌と宿主細胞との相互作用による免疫機構の変化、その結果起こる消化管の病理及び生理にどのように影響を及ぼすかについて研究しています。
学生インタビュー
研究の概要
私達の研究室では細胞外マトリックスの一つである基底膜の研究に取り組んでいます。基底膜は、上皮細胞、筋細胞、脂肪細胞などを取り囲んでいる非常に薄い膜のことを指しますが、細胞の構造維持・接着、細胞極性・分化の制御、細胞外層の選択的フィルターなど多彩な働きを担っています。我たちはモデル生物である線虫C. elegansを用いて構築した可視化基底膜を研究材料として、基底膜の構築原理と制御機構を明らかにしたいと研究に取り組んでいます。
研究の概要
遺伝子発現、植物分子育種、遺伝子組み換えなどを研究しています。
研究の概要
植物の病気の予防・治療・診断と発生の仕組みについて研究しています。
研究の概要
様々な疾患や老化の元凶となる酸化ストレスによる細胞死、細胞機能低下の防御/制御手法の探索およびそのメカニズム解析を中心に、老化、がんの予防や治療、皮膚防護(美白・抗しわ)などをターゲットにした新規バイオ素材の探索や研究開発を行っています。また、酸化ストレスを抑制するビタミンCの細胞内輸送メカニズムの解明も進めており、健康維持や予防医学の面からの貢献を目指しています。
研究の概要
がん治療、原爆放射線、ゲノム科学などが研究テーマです。
研究の概要
野生植物から栽培植物への栽培化(domestication)や人為選抜による作物の多様化、野生種・雑草種の適応のメカニズムについて遺伝学やゲノム科学の観点から研究しています。主に雑穀類やその近縁種を研究対象にしています。
研究の概要
鞭毛の運動機構、鞭毛の構築機構、微小管モータータンパク質の動作機構の解明を通じ、細胞が動く仕組みを研究しています。
研究の概要
卵子・精子の凍結保存、卵子の発育培養、体外受精、生殖器に対する環境因子の影響を研究しています。胚培養士(生殖補助医療を行う技術者)の育成にも力を注いでます。
研究の概要
動物が一体どうやって多細胞化したのか、その遺伝子レベルの仕組みを解明しようとしています。動物は多細胞体制をとることで、競争相手との戦いを有利にし、エネルギーの消費効率を高めることができるようになりました。しかしそれと引きかえに、単細胞の時代には存在しなかった様々な問題にも悩まされています。細胞の増殖を制御できなくなる癌はその典型です。動物が多細胞生物に進化するためには、様々な遺伝子レベルのイノベーションがあったはずです。しかしその詳細はほとんどわかっていません。我々は動物が単細胞生物だったころの生き残り(単細胞ホロゾア)を何種類も研究室で培養しています。これらの不思議な生き物の遺伝子の機能を調べ上げることで、進化の最大の謎に迫ります。
研究の概要
有色食材や山野草の抗酸化活性能測定、ストレス応答タンパク質によるストレス評価解析、抗ストレス食材の探索をしています。
研究の概要
卵子形成、精子形成に関する生理学的・分子生理学的研究、受精および初期胚発生機構の生理学的・分子生物学的研究をしています。
研究の概要
生物の体を構成する細胞はホルモンなどの刺激を受けると増殖や運動、分化など細胞の機能を変化させます。この過程を細胞内シグナル伝達といい、様々なタンパク質が働いています。我々は、細胞内シグナル伝達分子のひとつに着目し、そのタンパク質が増殖や生存、運動などの様々な細胞機能をコントロールする仕組みを研究しています。