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松本 拓也(まつもと たくや)

印刷用ページを表示する 2023年5月1日更新

研究者紹介

松本先生

所属: 地域創生学部 地域創生学科健康科学コース  職位:准教授,健康科学コース長,健康科学科長  学位:博士(海洋科学) 

研究室:県立広島大学広島キャンパス1526室

E-mail:takuya62@(@の後にドメイン画像を付けて送信ください)

研究内容:https://researchmap.jp/atakuya

研究に関する自己PR

日本近海に生息するフグ科魚類は,主に,肝臓や卵巣および皮膚にフグ毒を高濃度に蓄積しているため,誤って有毒な部分を食べた場合は,食中毒を起こします。フグはどうやって毒を蓄積するのか? という根本的な疑問を解明するため,私たちは,薬物動態学的手法や遺伝子工学的手法を用いて毒化に関わるフグの生体機能ついて研究しています。

研究テーマ

フグの毒化機構の薬物動態解析,フグの毒蓄積関連遺伝子の探索,フグ毒の解毒排泄機構の解析,トラフグのトランスポーター遺伝子の解析,マリントキシンの機器分析,魚類のタウリン生合成経路の解析,頭足類のタウリン生合成経路の解析,低塩分飼育した活魚の外傷回復関連遺伝子の探索

研究の特徴・内容

フグ食中毒の発生件数は,広島県が最も多く,次いで山口県や兵庫県など瀬戸内海沿岸を中心とした西日本地域で多発しています。フグ食中毒を防ぐため,フグの取扱いに免許や資格制度を導入し,昭和58年に厚生労働省の通知によって食用可能なフグの漁獲海域や種類と部位を定めた結果,フグ料理を提供する営業者による食中毒は大幅に減少しましたが,家庭や無資格者による誤った調理や不注意による事故は絶えず,現在でも,食中毒の発生原因の7割が家庭における調理によるものです。食中毒を予防するため,正しい知識を身に付け,フグを安全に食べるための活動を社会と連携して進めたいと考えています。

受験を検討している方々へ

1.フグ食中毒の予防

フグ食中毒の発生件数は,広島県が最も多く,次いで山口県や兵庫県など瀬戸内海沿岸を中心とした西日本地域で多発しています。フグ食中毒を防ぐため,フグの取扱いに免許や資格制度を導入し,昭和58年に厚生労働省の通知によって食用可能なフグの漁獲海域や種類と部位を定めた結果,フグ料理を提供する営業者による食中毒は大幅に減少しましたが,家庭や無資格者による誤った調理や不注意による事故は絶えず,現在でも,食中毒の発生原因の7割が家庭における調理によるものです。食中毒を予防するため,正しい知識を身に付け,フグを安全に食べるための活動を社会と連携して進めたいと考えています。

2.フグ科魚類の毒化メカニズム

日本近海に生息するフグ科魚類は,主に,肝臓や卵巣および皮膚などの特定の組織にフグ毒を高濃度に蓄積しているため,誤って有毒な部分を食べた場合は,食中毒を起こします。フグ毒の主要成分はテトロドトキシンと呼ばれ,ヒトの体内に取り込まれると,筋肉などの神経伝達を遮断する神経毒として作用し,重篤な場合は呼吸筋麻痺による換気不全(呼吸困難)により死亡します。これまでの研究で,フグ科魚類は,自らの体内でフグ毒を生合成しているのではなく,餌を介して毒を体内に取り込み(食物連鎖),高濃度に蓄積(生物濃縮)することが明らかになっています。しかし,フグはどうやって毒を蓄積するのか?という根本的な疑問についてはっきりとした答えがないのが現状で,私たちは,薬物動態学的手法や遺伝子工学的手法を用いて毒化機構に関わるフグの生体機能ついて研究しています。

3.水産生物のタウリン生合成経路の解析

タウリンは,タンパク質を構成しないアミノ酸ですが,生体内では,抗酸化作用および神経伝達物質様作用,タウリン抱合胆汁塩による脂質代謝への寄与や解毒作用のほか,ミトコンドリアtRNAのコドン認識機能に不可欠な修飾アミノ酸として重要な生理活性アミノ酸です。成人は,生体内である程度タウリンを生合成できますが,乳幼児はタウリンの生合成能が発達しておらず,食事からのタウリン摂取が必要です。ラットやマウスはタウリン生合成活性がありますが,ネコは,その活性が認められず,タウリン不含の餌で飼育されると網膜に重篤な障害が生じて失明します。

魚やイカ,タコなどの水産生物にはタウリンが豊富に含まれています。私たちは,これまでに魚類の肝臓におけるタウリン生合成酵素活性を調べ,ブルーギル,ニジマス,アユなどの淡水魚は,高い酵素活性があり,ブリやヒラメなどの海水魚は酵素活性が総じて低いことを明らかにました。現在は,水産生物では明らかになっていないタウリン生合成に関わる未知の酵素やイカなどの軟体動物のタウリン生合成能力について研究しています。

連携協力を検討している方々へ

1.共同研究

・低塩分処理技術の高度化による瀬戸内ブランド魚への活用(平成26年度県立広島大学重点研究事業広島県立水産海洋技術センターとの共同研究)

・高品質の活魚を低コストで安定的に供給するための低塩分蓄養方法および装置の開発(平成28-30年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業発展融合ステージ)

2.出前講義

・高大連携における化学・物理基礎教育と環境専門教育への展開(平成28年度県立広島大学教員免許状更新講習講義平成28年8月8日)

・生物のふしぎ-フグとフグ毒の話(平成28年度県立広島大学模擬講義広島県立三原高等学校平成28年10月26日)

・低塩分処理技術による魚類の新たな養殖・蓄養方法(平成27年度JST新技術説明会平成27年11月5日,JST東京本部)

・生物のふしぎ-フグとフグ毒の話(平成27年度県立広島大学模擬講義広島県立広高等学校平成27年10月22日)

・フグの毒化機構と食中毒(平成26年度文部科学省指定スーパーサイエンスハイスクール事業サイエンス講座広島国泰寺高等学校平成26年9月30日)

・身近な危険生物と自然毒(平成25年度県立広島大学市民公開講座大型機器で見る身近な世界-ミクロ探検隊平成25年11月19日)

3.関連学会

・日本食品衛生学会(正会員,学会活性化委員,メルマガ委員会幹事)

・日本水産学会(正会員)

・マリンバイオテクノロジー学会(正会員)

・マリントキシン研究会(正会員)

論文リスト

    著書

      キーワード

      フグ毒,テトロドトキシン,貝毒,トランスポーター,薬物動態学,食品衛生,水圏生命科学

      関連するSDGs項目

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      所属別一覧