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ご関心をお持ちの高校生・在学生の皆さんへ

 

このページは、本研究室にご関心をお持ちの高校生・在学生のみなさんに向けて作成しています。

 

研究室の所属について

 

 

 

 

  小林謙介研究室は、県立広島大学 生命環境学部 環境科学科に20144月に設置されました。

   県立広島大学には4つの学部、3つのキャンパスがあります。このうち生命環境学部は庄原キャンパス(広島県庄原市)にあります。

   生命環境学部には、生命科学科と環境科学科の2つの学科があります。環境科学科では、最新の理化学分析や、環境浄化・修復・保全に関わる技術や環境調査手法などを学ぶカリキュラムとなっています。

   当研究室は、これらの分野のうち、環境保全・修復などに関係しています。特に、環境マネジメント、環境負荷削減などのキーワードに強く関係しています。

 

 

◆大学全体の案内やキャンパスライフについて知りたい方:

 → 大学案内・キャンパスライフパンフレット

◆生命環境学部、生命科学・環境科学科について知りたい方:

 → 生命環境学部 生命科学科 環境科学科

◆庄原キャンパスについて知りたい方:

 → 庄原キャンパスはこんなところ

 

 

研究室について

 

 

 

 

*研究室の活動イメージをつかんで頂けるよう、パンフレットを作製しております。

 → 小林謙介研究室パンフレット

 

 

1. はじめに

 私たちの生活において、「二酸化炭素(CO2)排出量の削減」や、「廃棄物の削減」などのキーワードは、耳にする日が無いことがないくらい、ありふれています。

 ニュースで耳にすることはもちろんですが、スーパーに買い物に行ったら商品にCO2のマークがついていたり、電車に乗ったら「この電車は従来の電車の○○%のCO2で走っています。」と表示されていたり、いろいろなところに情報があります。

 ところで、そうした情報は、いったい、どのように算出されているのでしょうか・・・?

 また、算出された結果は、いったい、どう読み取り、循環型社会の構築に役立てればよいのでしょうか・・・?

  

2. 何をする研究室なの?

 小林謙介研究室では、主に以下のことに主眼を置いて活動を行っています。

 

 

A. 実社会における多角的な分析と改善策の提案

 

 A-1. 環境面からみた木材の有効利活用に関する研究

 木材は適切な管理を行えば持続的に生産可能な資源です。しかし、我が国の森林資源は、齢級分布が大きく偏っており、直近では資源余剰の状態ですが、将来的には資源不足に陥る可能性も無いとは言えません。また、近年は、環境面の意識の高まりから、利活用における環境負荷の削減も重要な課題のひとつといえます。木材について、環境負荷を削減しつつ、資源の利活用策を検討するためには、マテリアルフロー分析や、LCA手法を用いた環境影響分析が必要不可欠です。

  そこで、我が国全体の木材利活用の現状及び将来の需給の動態を分析し、更には、利活用に伴う環境負荷分析を実施して、持続的かつ低環境負荷な木材利活用策を検討することを目的に研究を実施しています。

  また、木材の利活用は、地域によって事情が大きく異なっています。そのため利活用策を実社会で適用するためには、地域の現状・課題を考慮することが欠かせません。そこで、広島県や県内自治体を例にとり、地域におけるマテリアルフロー分析、環境負荷分析などを実施するとともに、その地域の自治体・森林組合・製材工場などに実態調査を実施して、より具体性のある活用策を検討することを目的として研究を実施しています。

 

 A-2. 環境面から見た建築材料の有効利活用に関する研究

  建築分野は、大量に資源を消費し、大量に廃棄物を排出する分野の一つです。建築物の着工量は今後減少することが予想されるのをはじめ、着工量や廃棄物の発生量は時間の変化に伴って増減します。また、廃棄物は着工後、数十年程度を経過したのちに排出されるものであり、時間的推移の視点を含めた長期的な資源の利活用策を検討することは重要です。そのためには、資源消費や廃棄物排出量の時間的推移を含めた分析が必要です。

  そこで、過去から将来にわたる年次推移に着目し、建築資材の着工による資材消費量、建築物としての資材のストック量、解体後に排出される廃棄物量と再資源化可能量を明らかにすることで、今後の資源の利活用策を検討することを目的に研究を実施しています。

  

B. 環境情報の発信(コミュニケーション)に関する研究

  事業者等が行う環境コミュニケーションは、実社会で適用する際、評価に手間がかかること、評価結果の見せ方などが難しいことがあること、などさまざまな課題があります。また、近年、Scope3だけではなく、環境フットプリントなど、評価内容が以前にも増して多岐にわたるようになっています。より多くの事業者が環境情報を活用できるよう、実施における課題などを整理し改善することで、一層活用しやすくなることが重要と考えられます。

 

 B-1. 建築物の評価における環境情報の利活用

 建築分野を例として、建物の環境情報の評価・発信に伴う課題等を整理し、それらから得たノウハウを元に、一層活用しやすくデータベース・評価手法等を改善することを目的として研究を実施しています。具体的には、建築分野においてLCA実施経験者にアンケート調査を行い、LCAの一層の利活用を阻害する要因を分析しています。また、得られた課題を踏まえ、その改善策を検討しています。

  また、カーボンフットプリント・環境フットプリント等の実施における課題などについての検討も開始しています。

 

 B-2. 環境政策におけるLCA利活用

 自治体の環境政策を例として、環境政策における環境情報の評価・発信に伴う課題等を整理し、それらから得たノウハウを元に、一層活用しやすくデータベース・評価手法等を改善することを目的として研究を実施しています。具体的には、地方自治体において、その自治体が容易に入手可能なデータを用いて、できるだけ詳細にCO2排出量等を解析する手法を検討しています。 

 

C. LCAデータベースの維持・管理・拡充に関する研究

 

 C-1. 海外のバックグラウンドデータの推計手法構築に関する研究

  環境影響分析(LCA)を実施する上で、評価用のデータベース(原単位データベース)の構築は欠かすことができません。現状では国内全体を対象としたデータベースが開発されるにとどまっています。しかし、輸出入が盛んな我が国にとって、海外での影響を考慮した評価は必要不可欠と考えています。

  既存の日本平均の原単位データベースを活用し、入手可能なデータ(統計データなど)を用い、可能な限り精度高く、海外や地域のデータを推計する手法を開発することを目指し、研究を実施しています。

 

 C-2. バックグラウンドデータの品質と評価誤差に関する研究

 

 LCAの実施においては、評価者自らが評価に必要なデータを収集することが原則です。しかし、収集すべきデータ量は膨大になることが多く、評価に多大な労力を要することが多いのが現状です。そのため、実務では、評価において影響が小さい部分にバックグラウンドデータ(環境負荷排出原単位)を用いて評価の効率化を図ることが一般的です。バックグラウンドデータの連鎖においては、評価目的に合致したデータを連鎖できればよいが適切なデータが見つからない場合や、有効範囲の合致状況などが十分に確認されないまま利用されることも少なくありません。こうしたバックウラウンドデータの利用における留意点は、本来LCA実施者が十分な認識を持って利用すべきだが、十分な認識を持たないまま安易にデータが利用されているケースも少なくありません。

  そこで、LCA実施におけるバックグラウンドデータの品質評価手法を開発し、有効範囲が合致していないデータを用いることによって生じる誤差の分析手法を開発することを目的として研究を実施しています。さらには、これらの研究結果を踏まえ、産総研・産環協が開発するIDEAや、建築学会のLCA原単位データベースのデータ拡充などの方向性を提案することを目的に研究を行っています。

 

 C-3. 産業連関表を用いたバックグラウンドデータの開発

 

 LCAは、近年、カーボンフットプリントや環境フットプリント等、以前にも増して多様な評価が行われるようになってきています。そのため、バックグラウンドデータも、そうしたニーズに対応し、多様な環境負荷物質の評価が可能なデータベースの構築が求められてきています。バックグラウンドデータベースは、その目的によって、我が国の中でも複数のデータベースが公表されています。例えば、産業技術総合研究所等が開発しているInventory Database for Environmental Analysis IDEA)や、日本建築学会の建物のLCA指針に収録されているAIJ-LCAデータベースなどがあります。また、LCA実施においては,評価対象とする年次のデータを用いることが理想であるが、多くは特定の年次を対象として作成されています。例えば、建築学会のデータベースは、これまで、199019952005年版を公開していますが、直近の2005年データでも、すでに10年以上が経過しており、特に震災以降の電源構成の変化等の影響を考慮した原単位はできていません。そのような中で、20156月には、2011年版産業連関表が公表されました。そこで、2011年版産業連関表を用いた新たな原単位データベースの研究・開発しています。 

 

4. 成果はどう役に立っているの?

  

 研究成果の実社会での活用例をご紹介いたします。また、詳しくはこちらのサイトもご覧ください。

 

・ 作成した評価用データベース(IDEA)は、汎用LCAソフト(MiLCA)に実装されています。また、カーボンフットプリントの原単位の一部になっています。

・ 得られた知見は、LCAのガイドライン書に反映されています(建物のLCA指針)。また、環境配慮設計にも反映されています(CASBEE:建築環境総合性能評価システム)。

・ このほかにも、我が国の温室効果ガス排出量の算定などにも協力した実績があります。

・ 最近では、我が国最大の住宅供給事業者である大東建託様と研究を行い、その成果がウェブサイトおよび環境報告書(p.20~)に記事が掲載されました。

 

5. どんな進路が想定されるの?

 

 当研究室で学んだことが生かせる進路は、おおむね以下のような内容があります。

 

 ・ 国・自治体(公共団体) → 環境政策、環境計画(自治体によっては環境政策部門での採用があるところもある)

 ・ 民間企業 → 製品等の環境配慮設計、環境マネジメント

 ・ コンサルタント → 環境コンサルタント(LCAなど環境関連の専門知識を活用し、課題を見出して、解決策を提案する仕事)

 ・ 研究機関 → 環境関連研究機関

 

6. どんな授業を履修しておくとよいの? (本学学生向け)

 

  下記の授業では、研究室で取り扱っているテーマの基礎的な内容を講義しています。

・ 環境科学概論

・ 環境社会科学Ⅰ

・ 環境社会科学Ⅱ

・ 環境マネジメント学

・ 環境マネジメント学実習

 

7. ご不明な点は…

 

 ご不明な点などがございましたら、このサイトのトップページにあるメールアドレスにご連絡いただけますと幸いです。

 本学学生の皆さんは、ご関心をお持ちの方は、遠慮せず、気軽に研究室にお越しください。そして、研究内容を知ってください。 ただし、来室の際は極力事前にメール等で連絡をください(不在のときも少なくありません)。