各プロジェクトの目的・概要これまでの調査の概要成果の報告・写真など活動

越境プロジェクト

目的・概要

沖縄県の八重山・宮古地域(先島諸島)は、現在、国民国家の枠組みの中で政治的にも経済的にも「周辺」と位置付けられ、過疎や基幹産業の衰退など深刻な問題を抱えています。
しかし、昨今、台湾との交流を図ることで、地域社会の活性化の可能性を探っており、例えば自治体等はそのような試みを実行に移している状況です。
本企画は海という環境を通じて連続する両地域が持つ過去の交流の歴史を記録し、同時に現在の交流を困難にしている理由を明らかにすることで交流の基盤作りに寄与したいと考えています。
具体的には「中央」や「陸」を中心としたマジョリティとは異なる、本来彼らが持っている「海」を中心にした豊かな空間認識を活用し、両地域の交流関係者の認識のずれの解決を試みることです。
これらを交流推進に関心がある地元の協力者や、自治体ともに協働で行い、宮古・八重山地域と東部台湾の間に、親善交流、ビジネス交流のきっかけをつくりたいと考えています。

メンバー表(2010年1月現在 順不同)

 氏名 所属・職名等
上水流 久彦 県立広島大学
黄 智慧 台湾・中央研究院民族学研究所
大浜 一郎 石垣エスエスグループ代表
森田 真也 筑紫女学園大学
角南 聡一郎 元興寺文化財研究所
西村 一之 日本女子大学
野入 直美 琉球大学
松田 良孝 八重山毎日新聞
上江洲 儀正 南山舎代表
小嶺 博泉 前与那国町会議員・畜産農家
田里 千代基 前与那国町国交交流事務局長
王田 達夫 琉球華僑総会八重山分会元会長
宮岡 真央子 福岡大学
越智 郁乃 広島大学大学院
玉城 毅 奈良県立大学

越境科研

目的・概要

本研究は、海を挟んで近接する台湾東部と沖縄先島諸島、大韓民国南部と対馬という境界領域(海域)を取り上げ、この地域で繰り返されている国境をめぐる人々の動きや認識を対象としています。
日本という国家の中で先島諸島と対馬は「周辺」に位置しますが、海を越えた台湾や韓国との交流を模索し、地域の活性化を目指しています。両地域と台湾、韓国の関係は戦前より、同じ国家枠組みに位置づけられた時もあれば、緩やかな国境を挟んで交易の拠点となった時もあり、国家体制が強化されるなかで異なる国家システムの周辺で苦渋を強いられる時もありました。
本研究では国境が持つ拘束性と透過性との間で生きる人びとの境界に対する認識とその実践、並びに国境が人びとの暮らしや自己認識、空間認識に与える影響を明らかにする予定です。
それらの影響と政治経済的変化との因果関係を比較し、境界領域で国家と駆け引きをしながら生きている人びとの姿から、国境という「境」が持つ意味を探りたいと考えています。
具体的な研究テーマは、①先島諸島・台湾と対馬・韓国の比較による越境現象の多面的実体と形成要因の分析、②生活者の視点に基づく植民地支配を含めた国家統治の再考、③国境が再形成された地域の研究、の3点です。

メンバー表(2010年1月現在 順不同)

 氏名 所属 専門
上水流 久彦 県立広島大学 社会人類学
村上 和弘 愛媛大学 文化人類学
森田 真也 筑紫女学園大学 民俗学・文化人類学
西村 一之 日本女子大学 文化人類学
宮岡 真央子 福岡大学 文化人類学
角南 聡一郎 元興寺文化財研究所 考古学・民俗学
中村 八重 韓国外国語大学校 文化人類学
越智 郁乃 広島大学大学院 文化人類学