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【生命科学科】 モチ性穀類の起源に関する総説論文を発表―生命科学科福永教授 b

印刷用ページを表示する 2019年1月17日更新

(この記事は、2019年10月3日に一部改訂・追記されています)

福永健二「モチ性穀類の起源-モチの文化誌とモチの遺伝子」育種学研究 21: 1-10

 

 世界中で栽培されている作物にはわれわれ人類の歴史が刻まれています。平成元年に出版された阪本寧男「モチの文化誌」(中公新書)では、フィールドワークや標本調査の結果に基づき、穀類のモチ性は、イネ、オオムギ、アワ、キビ、モロコシ、ハトムギ、トウモロコシにのみ見られ、地理的分布も東アジアと東南アジアの限られるということを記しています。これは文化的な嗜好性が選択圧として働いたためと考えられています。

 その後30年間、分子生物学やゲノム科学が飛躍的に進歩し、個々の作物でモチ性がどのようなメカニズムでできたのかが明らかになってきました。福永教授の総説「遺伝学から見たモチ性穀類の起源:モチの文化誌とモチの遺伝子」(育種学研究)では、自身の研究を含めたモチ性穀類の起源の遺伝学的研究を振り返りました。はからずも平成元年の書籍に対して、平成最後の年の総説となりました。

(追記) オンライン版は平成最後ですが、冊子体としては令和元年6月に刊行され、論文に関する写真が育種学研究第21巻1号の表紙をかざりました。

 


さまざまな餅
さまざまな餅.黄色い粟餅や紫いろのモロコシ(タカキビ)の餅も売られている (高知市日曜市 1994年撮影)
モチトウモロコシ
市場で売られているモチトウモロコシ
モロコシ
栽培されているモロコシ在来品種

その他・福永教授の日本語総説

・トウモロコシの起源-テオシント説と栽培化に関わる遺伝子

国立民族学博物館調査報告84 137-151 2009

・アワの起源と作物進化 雑草ネコジャラシはどのようにして雑穀アワになったのか?

化学と生物55(2) 98-104 2017

分担執筆図書

・『雑穀の自然史-その起源と文化をもとめて』(山口・河瀬編) 北海道大学図書刊行会    

 2003年

・『地球の処方箋―環境問題の根源に迫る』(総合地球環境学研究所編)昭和堂 2008年

分担翻訳図書

・『農耕起源の人類史』 P. ベルウッド (佐藤・長田監訳) (P. Bellwood, First Farmers: The Origins of Agricultural Societies, 2005) 京都大学学術出版会 2008年

など