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【生命環境学部】 活躍する卒業生 - 西野扶さん(中外製薬グループ) b

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年2月4日更新

生命環境学部では卒業研究の期間が2年と、他大学に比べて長く、学部生の間だけでもかなり大ぶりなテーマに挑むことができます。もしそのまま大学院に進学すれば、研究の継続性において、大変有利に研究を進めることも可能です。

そのように研究に打ち込んだ後には、大きく分けて二つの道があります。一つは大学院後期課程(博士課程)への進学、もう一つは民間企業への就職です。一般的に言って、大学院で修士や博士を取得すると、研究職など高度に専門的な進路が開けてきます。

それでも、民間企業が研究開発費を減少させているこの時代、そうした民間の研究職へ就くのはかなり難しいといえるでしょう。今回インタビューさせていただいた西野扶(たすく)さん(2018年県立広島大学生命システム科学専攻前期課程[修士]修了)は、中外製薬株式会社の関係会社の一つ、株式会社中外医科学研究所で医薬品の研究開発業務を担う研究者です。西野さんは2年間の卒業研究とそれに続く2年間の大学院での研究期間中に7本の論文に著者として加わりました。そのうち2本は第一著者です。

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西野さん [株式会社中外医科学研究所(中外製薬グループ)2018年県立広島大学大学院修士卒]
グループ全体の同期が集まり実施した交流会での写真です


- 西野さん、早速ですが、差し支えない範囲で現在の職場とお仕事の内容を教えてください

私の所属する株式会社中外医科学研究所は、中外製薬グループの創薬研究の一翼を担う会社です。中外製薬グループにおける独自の創薬研究に高度な実験技術を用いて、Vitro・Vivo・分析測定の幅広い領域で貢献しています。

- 世界中に広く展開する製薬会社の研究開発職は、理系の大学生ならば一度はあこがれる職業と言ってもいいと思います。実際に働いてみて、思った通りだったことと、予想と違っていたことをそれぞれ教えてください。

実際に仕事を始めて感じた学生時代との最大の違いは、「プロ意識」にあると思います。製薬会社の研究職といっても、派手な実験ばかりではありません。しかしながら、そういった実験の積み重ねが「新薬の創生につながる、ひいては患者さんの命につながる」という意識を常に持って日々の業務に取り組んでいます。私が希望する職業に就けたのは事実ですが、これがゴールではありませんし、これから先の長い人生でこの道を選んでよかったと思えるように日々精進していくつもりです。

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- 西野さんが自分の希望する現在の職業に就けたのは、大学学部生、大学院生時代のどのような活動が一番関係していると思われますか。

一番のきっかけは研究室配属だと思います。小西教授の研究室に配属され、学部~大学院と思いっきり研究に打ち込ませていただきました。研究室の研究テーマは端的に言うと「細胞の増殖にかかわるシグナル伝達に関わる新たなタンパク質の機能を解析すること」でした。学部生時代は主に哺乳類細胞を、大学院生時代はマウスを用いて研究を行いました。

- 西野さんが県立広島大学に入学したいきさつを教えてください

率直に言うと、第一志望ではありませんでした(笑)。後期受験で合格し、生物学の研究に興味があったため入学を決めました。この頃は漠然と、誰も知らないことを解明する「研究」というものに憧れを持っていました。

- 入学して戸惑ったこと、期待以上だったことがありますか?

入学当初は、期待以上…とはなりませんでした。しかし、想像していた以上に生命環境学部はバラエティーに富んでおり、様々な研究室が存在しその研究内容も多岐にわたっていました。おかげで、研究室配属の際は色々と悩みましたが、様々な選択肢があったという環境は今思えばよかったのかもしれません。

- 県立広島大学では3年次からフルに研究室で研究ができます。卒業研究を行う研究室を選ぶ際に一番考慮したのはどのようなことでしたか?

修士課程までは修めると大学に入るときに決めていたので、まずは自分が4年間きちんと打ち込める(面白そうだと思える)内容の研究をしている研究室を選ぼうと思っていました。加えて、やるからには世界に発信できるレベルの研究を行える、将来を考えたときに様々な経験を積むことができる、この3点を軸に研究室を選びました。

- 研究室に入って実際に研究を行ってみてどうでしたか?

研究室に入ってからはとにかくたくさん実験をしました。まずは技術と基礎知識を身に着けることに邁進しました。一通りそれらを身に着けた後は書籍や論文を用いて情報収集を実施したり、小西教授や研究室のメンバーと議論をしながら研究を進めました。思い出深いこととしましては、やはり自分達が行った研究の成果を、学術論文として世界に発表することができたことです。特筆するべきことはもうひとつ、修士時代に共同研究プロジェクトで世界有数の研究機関である理化学研究所の脳科学総合研究センターに出向し、研究をさせていただいたことです。世界トップレベルの研究機関で様々な国籍の研究者と触れ合いながら、数多くの貴重な経験を積ませていただきました。周りについていくことに必死でしたが、確実に研究者としてのレベルアップにつながりました。

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西野さんが4年間研究にうちこんだ庄原キャンパス5号館

- もし県立広島大ではなく、ほかの大学(例えば第一希望の大学)に入っていたらどうだったか、考えたことがありますか?

入学当初は考えたことはありますが、研究室配属後はそういったことは考えなくなりました。単に余裕がなかっただけかもしれませんが...(笑)ただ、県立広島大学に入らなければ今の私はなかった、ということは言えます。この大学は教授と学生の距離が近い。理系の研究室では、研究室主宰者(指導教員)にまず「戦力」として認めてもらうことが重要ですが、有名国立大学と違い、この大学では一所懸命研究すれば学部生にだってそのチャンスがあります。

- これから県立広島大学で研究しようとしている学生に向けてメッセージをお願いします。

すごく役に立つアドバイスはできませんが、ひとつだけお伝えできたらいいなと思うことがあります。県立広島大学は全国的に知名度が高いわけでありません。しかし、中には世界に誇ることができるような研究や地域に大きく貢献するような研究を行っている研究室も多くあります。更に、最近は大学としても国際交流を推進しており、国際的な感覚を身につけるチャンスはたくさん転がっていると聞きます。私の場合、この大学での経験はかけがえのない財産になりました。皆さんそれぞれが、それぞれの目的をもって大学には入学され、研究に取り組まれると思います。人生の中で、自分が興味をもったことについてとことん学べる機会は限られています。自分の選択には自信と責任を持ち、その貴重な時間を思いっきり楽しんで下さい。

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西野さんが勤務する中外製薬鎌倉研究所

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