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10月22日(土)にオンラインで開催された2022年度(第73回)電気・情報関連学会中国支部連合大会において,コンピュータネットワークを研究する情報学分野の研究室に所属する複数の学生が研究発表を行いましたが,この度,以下の発表が複数の学会から表彰を受けることになりました。
■発表タイトル
全二重無線LANにおけるRTS/CTS併用型同期送信促進MACプロトコル
■論文著者:橋本ひかり (発表者), 重安哲也
■表彰を受ける賞:
・情報処理学会中国支部優秀論文賞
・電子情報通信学会中国支部 連合大会奨励賞
■学会Webページ:https://rentai-chugoku.org/index.html
橋本さんは,全二重無線通信の高度化に関する研究に取り組んでいます。無線通信では,従来,送信と受信を同一の周波数(チャンネル)で同時に行うことは困難でした。これは,自分の送信が自分の受信アンテナに回り込むことで,遠隔からの受信を妨害する自己干渉が発生するためです。しかし,近年の信号処理技術の高度化から,自己干渉を抑制する技術が開発され,無線でも送受信を同時に同一周波数での実現が視野に入っています。橋本さんは,この無線全二重通信の送信アルゴリズムの高度化に取り組み,同時に複数の送信を促進することで,ネットワーク全体での通信スループットの大きな向上を達成したことを学会で報告しました。
橋本さんは,学部・修士の教育課程を通常の4+2の6年から,学部成績優秀により4+1の5年に短縮する学部・修士5年一貫教育プログラムの適用を受けており,来年3月に本学を巣立つ予定です。残された学生生活も短くなってきましたが,現在は,納得のいく研究成果を修士論文でまとめるように必死に頑張っているところです。