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【生命システム科学専攻】バルセロナ共同研究派遣レポート

印刷用ページを表示する 2022年8月17日更新
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​​ 科学研究では、海外の大学や研究所と積極的に情報交換や共同研究を行い、時に生じる競争に打ち勝っていくことが重要になります。生命システム科学専攻には、学生の海外での活動を支援し、その促進を図ることを目的とした「国際学会等研究活動特別支援」という制度があります。年間約5件という狭き門ではあるものの、相当額の旅費や滞在費の補助が行われます。支援対象には、国際学会での発表だけでなく、海外の研究室での中長期にわたる武者修行(=共同研究)も含まれます。この制度を活用し、7月、庄原キャンパス菅研究室の田中颯真さんが、バルセロナの進化生物学研究所に2週間滞在しました。当人のレポートを掲載します。

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左:田中さん 右:バルセロナの進化生物学研究所(Institut de Biologia Evolutiva)。地中海が目の前です。


 私は、生命システム科学専攻の国際学会等研究活動特別支援制度を利用して、スペインにあるIBE(Institut de Biologia Evolutiva)にあるRuiz-Trillo研で共同研究を行いました。Ruiz-Trillo研では、所属する菅研究室と同様のモデル生物を扱っており、進化学への興味も共通していて、実験技法も学ぶべきものを持っています。従って今回の訪問は、語学面のみならず、研究面でも私にとって非常に有意義なものとなり、そこでの経験は私の修士論文の内容や研究への意識を高めることにつながったと実感しています。

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実験中の私。使用する器具は日本でもバルセロナでもほとんど同じなのでそれほど戸惑うことはありません。

 実は、私は海外旅行すら一度もしたことがなく、英語にもそれほど自信がありませんでした。しかしバルセロナの研究室内での会話は、スペイン語なども混じるものの、基本的に英語です。実験手法や機器の使用法の説明ももちろん英語で行われます。最初は慣れずに苦戦したのですが、研究室の方々は、私の拙い英語からもその意図をくみ取ってくれました。簡単なことであっても英語で何とかコミュニケーションが取れたという経験は、次は更に複雑なことを伝えてみようという意欲をかき立てます。こうしたことが可能なのも、同じ興味を持った科学研究者同士という大きな共通項があり、コミュニケーションを取りたいという強い意志が双方にあるためだと感じました。

 加えて、日本とは異なる環境で実験を行っているからこその、今まで自分の発想にはなかった新たな着眼点を得ることができました。今回身につけた技術や、ディスカションで得られた革新的な(自分ではそう確信しています)アイデアを活かし、修士論文をより良いものにしていきたいと考えています。

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 自分の研究内容を緊張しながら発表する。県立広島大では2年間の卒業研究が行えるため、修士1年目の私にも十分話す内容があります。とはいうものの、英語となると勝手が違います。

 最も緊張したのは、研究室で自分の研究内容をプレゼンする時でした。出発直前まで指導教員と原稿を修正し、何度もプレゼン内容を見直して、出発前には、これでいける!と謎の自信に満ち溢れていたのですが、いかに私が浅はかであったかを思い知らされました。しかし、所属研究室で週に一度行われる英語論文の輪読会のおかげもあってか、なんとか当日は、用意していった原稿を見ることもなく研究内容を伝えられたと思います。ただ、質疑応答の時、相手が何を聞きたがっているかは理解できても、自分の考えを伝えること、つまり、その瞬間に適切な英語の文章を作ることがうまくできませんでした。今回の研修で、聞く・読む力と、それに対して反射的に言葉を返す力は異なるものであり、私は後者の力がいかに足りていなかったかを痛感しました。しかし一方で、科学研究者同士であれば、何とかして意図を伝えることは、訓練次第で自分にも十分可能だ、という手ごたえも得られました。

謝辞:今回の共同研究を行うにあたり、生命システム科学専攻の「研究・教育環境の国際化をコアとした大学院の質的改革に資するプログラムの推進事業、国際学会等研究活動特別支援制度」のご支援を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。

【おまけ】

 スペインは世界に冠たる観光大国です。バルセロナの街は、ガウディの建築物と、おいしい食べ物であふれています。週末は研究室が休みとなるので、語学修行を兼ねて、周辺を積極的に散策しました。私はある有名なゲーム(モンスターをゲットしながら旅をする、アレです)のファンなのですが、日本にいる時に、このシリーズの最新作の舞台のモデルが、スペインなのではないかと聞いていました。根拠は、最新作の場面にうつった建造物が、ガウディの有名な建築であるサグラダファミリアを模していることです。それもあって、ぜひこの機会にと、サグラダファミリアを訪問しました。もちろんこれまでも写真では見たことはあったのですが、地下鉄の駅から路上に上がり、実物が目の前に現れた時、そのスケールと存在感に圧倒されました。また、館内を見学し、一つ一つの建造物の意味を知っていくうちに、ガウディを含む偉大な建築家たちの意志、世界遺産に登録された理由、ゲームフリークがスペインを舞台に選んだ訳がわかった気がしました。特に、館内の「夕暮れ」をイメージしたステンドグラスから入り込む光が、どこか切なさを伴った鮮やかさで、とても美しかったことが印象に残っています。今作の御三家は炎を選ぼうと決めました(わかる人だけわかってください)。

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サグラダファミリア大聖堂。こんなに大きいとは...

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