ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 研究者の方 > 研究者・研究紹介 > 研究者紹介 > 青柳 充(あおやぎ みつる)

本文

青柳 充(あおやぎ みつる)

印刷用ページを表示する 2022年4月1日更新

研究者紹介

青柳先生

所属: 生物資源科学部生命環境学科 環境科学コース 職位:准教授 学位:博士(学術) 

研究室:庄原キャンパス4401号室 循環炭素資源利用化学研究室

E-mail:aoyagi@(@の後にドメイン画像を付けて送信ください)

研究内容:https://researchmap.jp/aoyagipu2014 

研究室Web:https://www.pu-hiroshima.ac.jp/p/aoyagi/

研究に関する自己PR

植物細胞壁を構成する高分子(リグニン・セルロース等)を原料に高分子・有機・物理・植物化学の観点から循環性のある高機能・高付加価値材料の開発にかかわる教育・研究を行っています。完全に分解され再生される植物に学びつつ,高性能で付加価値が高い循環型の高分子素材の開発に挑戦しています。 

研究テーマ

・種々の植物からのリグノフェノール等誘導体の調製・構造解析・物性評価

・分子設計によるリグノフェノール等誘導体の機能化・合成・解析

・リグノフェノールの高分子化・コポリマー化・ポリマーブレンド・エレクトロニクス関連素材の調製と評価

・雑草の資源化・親水性高分子化・循環型材料化(合成・分析・物性評価)

・セルロース・ヘミセルロース等炭水化物の利活用・機能付加 

・3500年前の樹木の木材の化学分析にもとづく過去の知見の獲得と素材の特性の未来予測

・地域の課題解決研究(クロモジ・ウルシ・未利用材・雑草の地産地消研究・文化・知恵の継承支援)

研究の特徴・内容

植物は地球の大気圏を循環する二酸化炭素と水を地球外のエネルギーである太陽光を利用して固体化し植物細胞壁を形成します。その構成高分子物質は完全な生分解性を有しており,地球上の炭素循環を支えています。本研究室では植物の循環システムを参考にした多段階滝(カスケード)型リサイクルを念頭に置いて,植物素材を起点とした素材開発の研究を高分子化学・物理化学・有機化学・植物化学を組み合わせて行っています。植物資源を利用する際に循環性を支える化学構造を維持した状態で使用し,廃棄時に植物本来の循環の流れに戻すように設計します。自然から借りた炭素素材を「生態系の資源循環の『流れ』にもどす」,つまり植物の循環利用とは「機能を植物に一時的に借りること(還すことが前提)」であると考えています。植物は循環している物質の流れの中の一形態を示しているにすぎません。循環型社会の実現には、使った後にも意味がある,その自然の循環の形を現代社会の資源の現状と活用,使用後のありかたに反映させることが必要であると考えています。そのために過去・未来50年を視野に入れて「現在の在り方」を考え,植物を物質として扱い素材を作り出し評価しながら「時間の経過」と資源・技術・社会のありようを意識して研究を進めています。

受験を検討している方々へ

自然豊かな中山間地域にある庄原キャンパスで,植物が地球外エネルギーを利用した光合成によって二酸化炭素と水から作りあげた貴重な植物炭素資源から「付加価値の高い材料」をつくる実験化学的な教育・研究を行っています。

理科で考えると「生物」が作り出したものを「化学」の力で分析・機能化して有益な「物理」的性質を生み出すことを目指しています。
植物の細胞壁は有機物の複合体であり,親水性で規則性の高いセルロースのような炭水化物と,疎水性で比較的ランダムな三次元構造をもつリグニンという芳香環を持つ化合物が「人間には制御できない」緻密さで組み合わされ,構成されています。植物は時間をかけた完全な生分解性と,家を支えられる強度・風に揺れる草のようなしなやかさ・法隆寺のような1000年以上の時を経ても腐らず維持される耐久性など様々な性質を示します。私たちはこれらの性質を生み出している,この高度な複合体を化学的に「解(ほぐ)」して循環型炭素資源として取り出し,枯渇が心配されている石油,石炭の代替資源として化学活用することを目指しています。

具体的には,木材や雑草などの植物素材から高性能プラスチックやエレクトロニクス,エネルギー生産デバイス,医薬品など付加価値が高い素材を作りだす研究・開発を行っています。植物資源という生物生産物を使って,化学技術と物理の原理を活用し,地域社会に根差して人とも深くかかわり,人間社会に有益な素材を持続可能な方法で提供する幅の広い学問に向き合っています。

連携協力を検討している方々へ

民間企業や企業団体,公的研究機関,地方自治体と共同,受託研究や技術相談に取り組んできた実績があります。可能性探索,技術開発など大学の知識や研究力を活用してみませんか?地域の課題を整理し主に「植物」「木材」「雑草・草類」「植物由来素材(紙・繊維・布)」「高分子」「素材」などをキーワードに「化学」知識と技術を活用して課題に取り組んでいます。是非ご相談ください。

研究室HP→ https://www.pu-hiroshima.ac.jp/p/aoyagi/

論文リスト

    著書

      知財リスト

      1. 特開2017-043763水溶性高分子材

      2.特開2013-204016 ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体

      3.特開2013-006911 熱可塑性樹脂組成物及び成形体

      4.特許3934068 リグニン誘導体を用いた光電変換素子及び光電気化学電池

      5.特許4785732 導電性ポリアニリン組成物、その製造方法およびポリアニリンドーパント 

      専門資格

      1.  危険物取扱者(甲種)

      2.エックス線作業主任者 

      キーワード

      リグノフェノール,リグニン,高分子化学,物理化学,有機化学,光化学,リグノセルロース,雑草,木材,紙パルプ 

      関連するSDGs項目

      SDGs9SDGs12SDGs13SDGs14SDGS15


      所属別一覧