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所属:保健福祉学部人間福祉学科コース 職位:准教授 学位:修士(人文科学)
研究室:県立広島大学三原キャンパス3419号室
E-mail:casano@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/yehara
社会学の立場から、精神科の元患者・現患者、ならびに、その家族や支援者を対象にインタビュー調査を行い、当事者のリカバリーを促進する認識や行動の変化やそのプロセスを研究しています。
精神障害からのリカバリー、向精神薬断薬者の経験の語り、専門職の認識と行動の変化、精神科医療のパラダイム変化、対話中心の精神科医療、エンパワーメント
これまで私は、治療法の選択肢がなかったために、自力で断薬してリカバリーを果たした元精神科受診者の方々にインタビューを行ってきました。続いて、専門職の支援を受けながら減断薬を果たし、リカバリーした人たちにもインタビューを行いました。さらには、減断薬を支援する専門職たちへのインタビューも行っています。以上の調査から見えてきたことは、専門職自身が当事者の感覚や経験から学ぶことの重要性です。
現在は、専門職、当事者、家族といった、異なる立場、異なった文化を持つ人たちが、対話を通して、自律性・主体性・人生の主導権を回復していくプロセスに関心があります。精神科医療に関わる人たちが、「かつての」考え方から「現在の」考え方へとどのように変化していったのか、そのような変化がその人自身の行動や周囲の人たちとの関係にどのような変化を与えたかを明らかにすることが、私の研究の目的です。
社会学やジェンダー論の授業を担当しています。人間福祉学コースでは、精神保健福祉士の養成教育にも携わっています。社会学は、個人の意識や行動と社会的なものとの関わりを明らかにする学問です。自分自身の中にある物の見方や判断基準のなかに、それぞれが育ってきた家庭や地域、時代の影響が色濃く表れています。そのような基本的な視点から、自分自身と社会を見つめ直していきます。社会学は専門教育の基本となる学問でもありますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
私自身は、上記の社会学の視点にたって、性別に関わる社会問題や、精神科医療を受診している人たちの回復(リカバリー)に関する研究に取り組んでいます。いずれのテーマにおいても、本人が自律性や主体性を回復していくプロセスを明らかにすることに関心があります。私たちは生まれ落ちた家庭や地域、社会の影響をとても強く受けますが、実際に、どんなふうにそれらの影響を受けているかを知ることで、自分らしさとは何か、自分はどのように生きていきたいのかということを考えることができるようになるのではないでしょうか。そのようにそれぞれの人が自分らしく生きる目的や目標を新たに見出すことができるようになれば、私たちの暮らす社会はよりよいものに変化していくと考えています。
私は、人生の中で困難に直面した人々が、その困難や挫折から立ち直っていく過程に関心があります。困難や挫折は、それらが個人の人生に生じることで、その個人をより強くする契機ともなりうるものだからです。
具体的には、摂食障害を経験した女性たちにインタビューを行い、その回復過程を考察しました。現在は、精神障害を経験した人たちを対象にインタビューを行い、それらの人たちの回復過程を研究しています。また、リカバリーを支援する専門職にもインタビューし、本人の主体性や自律性を促進する支援のありかたを明らかにすることを目指しています。
精神科医療、多剤大量処方、リカバリー、オープン・ダイアローグ、精神疾患の認識論、自律性・主体性の回復