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古屋 泉(ふるや いずみ)

印刷用ページを表示する 2023年5月3日更新

研究者紹介

古屋先生

所属:保健福祉学部保健福祉学科コミュニケーション障害学コース 職位:教授 学位:博士(心理学)

研究室:県立広島大学三原キャンパス4418号室

E-mail:furuya@(@の後にドメイン画像を付けて送信ください)

研究内容:https://researchmap.jp/ifuruya

研究に関する自己PR

私のメインテーマである持続的注意機能へのアプローチの“売り”を強いて挙げるとすれば,ネズミと人間において,等価な装置を使用して,同じ手続きで,同じように測定しているということです.これにより,動物実験の結果を直接人間にあてはめて解釈することが容易となりますし,逆に人間から得られた知見を,動物で厳密に測定して,その機序を明らかにすることも,比較的容易に行うことができます 

研究テーマ

ヒトや動物の“注意機能”とは,心的過程のオペレーティング・システム(OS)にあたる機能です.このおかげで我々は,数限りなくある外部情報から適切な情報を取捨選択して,情報の適切な処理を行い,場面に応じて正しい出力(行動など)を行うことが可能になります.この機能がうまく働かないと,例えば注意欠陥・多動性障害(ADHD)のような症状が生じると考えられています.この機能は近年“実行機能”として注目され,乳幼児期には未発達で,経験や訓練を行うことで学童期に完成していくことが示唆されています.乳幼児において,注意機能はどのように未完成なのか,発達にはどのような経験や訓練が有効なのかを明らかにすることは,乳幼児や学童の教育支援に直接・間接的に役立つと考えられます.また,ヒトの注意機能の“クセ”を明らかにすることは,産業や教育場面で他者への「情報の与え方」の向上につながるものと思われます.

研究の特徴・内容

注意機能にはいくつかに分類されますが, 私が研究しているのは「突発的な出来事が起こった時」への対応を担っている「持続的注意」についてです.これは,希にしか生じないイベントへの適切な 対応ということで,人間を含む動物の生存に必須といえる機能です.私はこれを選択反応時間課題という実験系を用いて,ヒトとネズミで客観的・定量的に測定するということを行っています.これまでに老化や特定の薬物が,持続的注意機能を低下させること, そしてある種の薬物が低下した持続的機能を向上させることも示してきました.

受験を検討している方々へ

私の持続的注意機能へのアプローチの“売り”を強いて挙げるとすれば,ネズミと人間において,等価な装置を使用して,同じ手続きで,同じように測定が可能であるということです.これにより,動物実験の結果を直接人間にあてはめて解釈することが容易となりますし,逆に人間から得られた知見を,動物で厳密に測定して,その機序を明らかにすることも,比較的容易に行うことができます.個人的な興味としては,ネズミはどこまでヒトと同じか?乳幼児の注意機能の未熟さはネズミのそれと同じか違うのか?ということも知りたいと思っています.

連携協力を検討している方々へ

注意機能に限らず,動物の行動の予測と制御に関して,興味を持っており,実践的な研究もいたいと思います.注意機能の研究は基礎研究であるため,すぐに応用・実践可能となるかは不明ですが,認知機能への効果等について,その機序を含めて興味を持つ分野との提携は可能であると思われます.社会や地域がいわゆる客観性や定量性を持たない“あやしい心理学”にとらわれることがないように協力したいとも考えています.

論文リスト

    著書

      キーワード

      持続的注意,比較認知,実行機能,行動薬理,ラット 

      関連するSDGs項目

      349


      所属別一覧