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伊原 伸治(いはら しんじ)

印刷用ページを表示する 2022年4月1日更新

研究者紹介

伊原先生

所属:生物資源科学部生命環境学科生命科学コース 職位:教授,生命環境学科長,生命科学科長,生命科学コース長

学位:博士(医学)

研究室:県立広島大学 庄原キャンパス5301号室

E-mail:ihara(@の後にドメイン画像を付けて送信ください)

研究内容:https://researchmap.jp/ihara 

研究室Web:https://iharashinji.info

研究に関する自己PR

モデル生物である線虫C. elegansを実験材料にして、基底膜や分泌タンパク質の機能化について研究しています。 

研究テーマ

可視化基底膜を用いた解析、分泌タンパク質の組織局在を決定する分子機構の研究、基底膜の損傷を保護する生物資源の探索、小胞体でのタンパク質のフォールディング機構の研究、タンパク質の脱凝集の研究

研究の特徴・内容

 基底膜は、上皮細胞、筋細胞、脂肪細胞などを取り囲んでいる非常に薄い膜のことを指しますが、細胞膜とは構造やその成分が大きく異なり、進化的に保存されたタンパク質群から構成される細胞外マトリックス成分です。基底膜は、細胞の構造維持と接着、細胞極性の維持や分化制御、細胞外層の選択的フィルターなど多彩な働きを担っています。また上皮で発生したガン細胞が下層の結合組織に浸潤する際には物理的な障壁としても作用しています。このような基底膜の多様な機能は、発生段階や組織によって大きく変化する基底膜構成タンパク質の含有量の違いに関連しており、その含有量の違いを産み出す分子機構が個々の細胞や組織に対する最適な細胞外環境を産み出す仕組みだと考えられています。私は、モデル生物である線虫C. elegansを材料として、基底膜の構築原理や構成タンパク質の機能化や動態、含有量の変動を制御する分子機構の基本原理を解明することを目指しています。

受験を検討している方々へ

基底膜は細胞外マトリックスの一つであり、進化的にほぼ完全に保存されているタンパク質群から構成されるシート状のタンパク質複合体で、皮膚の恒常性維持に必須な役割を担っている。例えば、基底膜を構成するタンパク質の遺伝子変異によって表皮水痘症が引き起こされ、また紫外線は基底膜の損傷を引き起こして、シワやタルミといった肌老化の一因となる。私達の研究室では、モデル生物である線虫C.elegansを用いて基底膜の構築原理とその機能維持を目指した研究を行っている。

○研究課題1.基底膜の損傷を保護する生物資源の探索

紫外線による皮膚の損傷、すなわち光老化は皮膚が恒常的に紫外線暴露されたときに観察される現象である。これまでに、C.elegansの可視化基底膜を用いた紫外線暴露実験により、特定の基底膜タンパク質が損傷する事を見出している。この実験モデルを用いて、紫外線による基底膜の損傷を抑制する生物資源物質のスクリーニングを行い、基底膜の保護に有用な食品等を明らかにする。

○研究課題2.タンパク質のフォールディングに関わる新規遺伝子の同定

これまでに基底膜タンパク質をマーカに用いた解析により小胞体でのタンパク質フォールディングに関わる新規酵素を同定している。他にも小胞体でフォールディングに関わる新規遺伝子を同定しており、その解析を進める。

連携協力を検討している方々へ

基底膜の機能は、健康な皮膚を維持するために重要である。私達は独自の実験モデルを用いて紫外線による特定の基底膜タンパク質の損傷を見出している(未発表)。この実験モデルを用いて、紫外線暴露時に基底膜の機能を維持する生物資源の探索、また基底膜タンパク質(IV型コラーゲン、ラミニン等)の代謝に着目して食品等の薬効成分を探索する研究も行いたいと考えている。

これまでの連携実績

〈主要論文、*責任著者〉

1.Matsuo,K.,Akihiro,Koga.andIhara,S.*VisualizationofendogenousNID-1andEMB-9inC.elegans.PublicationBiology.10.17912/micropub.biology.000110(2019)

2.Narimatsu,TandIhara,S.*NewalleleofC.elegansgenepign-1,namedasxyz11.PublicationBiology.10.17912/micropub.biology.000088(2019)

3.Ihara,S.,*Nakayama,S.,Murakami,Y.,Suzuki,E.,Asakawa,M.,Kinoshita,T.andSawa,H.PIGNpreventsproteinaggregationintheendoplasmicreticulumindependentlyofitsfunctionintheGPIsynthesis.J.CellSci.130,602-13(2017).

4.Ihara,S.,Hagedorn,E.J.,Morrissey,M.A.,Chi,Q.,Motegi,F.,Kramer,J.M.andSherwood,D.R*.BasementMembraneSlidingandTargetedAdhesionRemodelsTissueBoundariesDuringUterine-vulvalAttachmentinC.elegans.NatureCellBiology13,641-51(2011)

〈これまでの受託研究又は共同研究先〉
国立遺伝学研究所、Duke大学、関西学院大学、有明工業高等専門学校

 

論文リスト

    著書

      キーワード

      モデル生物、基底膜、生物資源、凝集タンパク質、コラーゲン、線虫 

      関連するSDGs項目

      SDGs3SDGs4SDGs9 


      所属別一覧