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所属:生物資源科学部 生命環境学科 生命科学コース 職位:教授 学位:博士(理学)
研究室:県立広島大学 庄原キャンパス5501室
E-mail:mkanaoka@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/read0149063
植物の有性生殖過程について、とくに受精のために花粉管が胚珠へと誘引される「花粉管ガイダンス」に着目して、花粉管を誘引する分子の構造や特徴について研究しています。また、植物の環境応答と形態形成についても研究しています。
植物の多様化・進化に関する研究、植物の有性生殖過程をin vitroで再構築する研究、花粉管ガイダンス因子として機能する分子の同定および機能解析、花粉管ガイダンスシグナルの伝達に関する研究、植物の環境応答(特に水環境)に関する研究、植物発生・形態形成に関する研究(気孔・花粉・雌性配偶体など)
雄と雌という2つの性を持つ生物では、両性の配偶体が出会い融合(受精)することで新たな個体が誕生します。被子植物では、花粉が雌しべの柱頭に付着すると、花粉管が雌しべの内部を伸長して胚珠へと到達して受精がおこります。胚珠からは様々な物質が分泌されて花粉管を胚珠へと導いていることが分かってきました。
私は花粉管を誘引するタンパク質を見つけたり、そのタンパク質がどのような構造をしているのか、他種の花粉管を拒絶し自種の花粉管のみを誘引するためには誘引タンパク質のどの部位が重要なのか、といった課題を解決することを目標に研究しています。また、植物が環境に応答して形態を変えながら発生する仕組みについても研究しています。
顕微鏡観察、顕微操作、遺伝子組み換えやゲノム編集などの分子生物学的手法など、様々な技術を駆使して研究に取り組んでいます。研究対象としては分子生物学や植物受精研究でよく使われるシロイヌナズナ・トレニアに加えて、最近では重要な作物であるトマトでも受精研究ができるように実験系を立ち上げています。生命の原理を探求する基礎的な研究から、品種改良や育種につながる応用的な研究への展開を目指しています。
植物は一度根を下ろしたところから動けないので、環境の影響に対して様々な方法で応答しながら成長します。また、私たちが普段目にする花の多くでは、花粉管という細長く伸びるチューブ状の細胞によって精細胞が雌しべ内部の奥深くまで運ばれて受精がおこります。花粉管がどのようにして目的地までたどり着くのか、間違って他の種の花粉が受粉してしまった場合どのようにしてそれを排除するのか、気孔の発生に外部環境はどのように影響するのか、これらのテーマについて遺伝子レベルで研究しています。
研究を通じて、生物をしっかり観察すること、そこにどのような興味深い生命現象があるか気がつくこと、仮説を立てて実験により検証すること、研究テーマに関連する文献(英語論文)を自分で探して読めるようになること、自分の研究について発表し質問に対して答えられるようになること。これらに必要な能力を身につけられるように指導します。ここで身につけた考え方や課題解決能力は、社会のあらゆる場面で役に立つと期待しています。
当研究室は2022年10月に立ち上がったばかりの新しい研究室です。これから一緒に研究を盛り上げてくれる、意欲的な学生さんを歓迎します。
なお、私のこれまでの経歴については、researchmapを参照してください。
https://researchmap.jp/read0149063
植物の受精過程のイメージング、花粉管の伸長速度解析、気孔を介した植物と外部環境との応答などにおいて独自の技術とノウハウをもっています。これらの分野において技術協力可能です。国内外の多数の大学との共同研究や、企業からの受託研究の実績もあります。
植物発生、植物有性生殖、受精、花粉管、花粉管誘引、気孔、環境応答、植物分子遺伝学、生物多様性、進化
トレニアの長距離花粉管誘引
培地の上で、花粉管が胚珠の塊の方へと誘引されている