ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 研究者の方 > 研究者・研究紹介 > 研究者紹介 > 西本 潤(にしもと じゅん)

本文

西本 潤(にしもと じゅん)

印刷用ページを表示する 2022年4月1日更新

研究者紹介

所属:生物資源科学部生命環境学科 環境科学コース 職位:准教授 学位:博士(理学) 

研究室:県立広島大学庄原キャンパス4502号室 

E-mail:nishimoj@(@の後にドメイン画像を付けて送信ください)

研究内容:https://researchmap.jp/p8TP54ZQ

研究に関する自己PR

平衡定数を用いて溶液内の化学種を計算し実測値との比較を通して、有害物質の濃度分布だけでなく、無機元素間の相関、そして状態分析を通して、環境の異変を含めて溶液中あるいは固相中で起こったことを評価している 

研究テーマ

堆積物中の鉄を用いた環境評価、不溶物中の硫黄の状態分析、汽水域での物質の化学変化、固形物中の元素相関を用いた物質の評価、水溶液中の縣濁態および溶存態中の元素濃度の相関による物質移動の評価

研究の特徴・内容

環境中にある物質や製品などは混合物であることが多い。サンプル中で均一であるべき元素あるいはある特定の(排出)源を持つ元素を基準にして元素間の相関を調べ、相関の悪化の原因を、自然環境の変化や自然環境中の移動および製造過程を検討して、明らかにするのが研究の基本である。その際に酸塩基、沈殿、酸化還元、錯形成の各反応や共存する有機物の影響を考慮する。

環境試料に含まれている元素の移動性、毒性、生物利用性などについては化学種(どんな化合物)かで大きく変化する。また共存する他の元素の状態の影響も受ける。そのため元素の状態分析が必要となる。現在行っている、堆積物中での貝類の生活のしやすさを評価するための、鉄および硫黄の研究について紹介する。堆積物中の鉄は鉄の酸化物、硫化物、炭酸塩として存在していることが多い。また鉄の酸化数は二種類ある。酸化数より酸素の多い状態になりやすい場所か否かを、毒性の高い硫化物が存在すればさらに環境悪化が起こっている場所か判断できる。X線を用いた無機元素の状態分析、ICPや黒鉛炉原子吸光装置による濃度分析によりこのような研究を行っている。 

受験を検討している方々へ

人間が環境に影響を与えると、環境問題が起こります。有害な物質を放出しても,生物にとって必須なものであっても放出量が多すぎても有害な影響を与えます。物質を放出しなくても,人間が環境を変えることによって問題となることがあります。その枠組みの中で物質循環に関する研究をしています。栄養塩の物質循環が変わって、富栄養状態(生物が利用しやすい形に栄養塩が変化し高濃度になること)になったり貧栄養状態になったりします。他の物質の循環が変わると、栄養塩の循環にも影響を与えます。さらに毒性を示す物質の移動のしやすさや毒性の強弱にも影響を与えますので、話は単純ではありません。

地球規模で通じる話をしてしまいましたが、実際に行っている研究は地域の問題を行っています。これまでは主に沿岸海域のことを研究していました。沿岸海域を研究対象としていた理由は、人間の影響を受けやすい,漁業生産量が多く重要な海域である,大雨が降ると酸素の少ない海水が発生する、赤潮の発生件数が多いなど環境のバランスが崩れかかった海域が多いからです。水に溶けているもの、水中に存在する微粒子に含まれているもの、堆積物中のものの濃度を調べ、堆積物中では存在状態を調べたりして物質循環を考えています。

それ以外にも遠距離輸送され雪に含まれている環境汚染物質の研究なども行っています。

卒業生の進路です。分析、コンサルタント、水処理の会社及び団体、中高の教員や地方公務員,そして食品系の会社に就職しています。

連携協力を検討している方々へ

沿岸海域について行ってきたことは以下の通りです。堆積物中の酸で可溶な金属濃度をICPで、海水および河川水中の金属(Al、Ba、Cr、Cu、Fe、Mn等)濃度をICPや黒鉛炉原子吸光装置で調べて元素間相関を明らかにし、堆積物中の鉄や硫黄の存在状態をXANES法によりシンクロトロンで、堆積物中の有機物のC/N比をCNコーダーで調べ、場所ごとの環境特性と全体としての物質循環について明らかにすることを目指してやってきました。

論文リスト

    著書

      知財リスト

      金属水銀処理方法、西本潤、特許権 

      専門資格

      危険物取扱主任者(甲種)、作業環境測定士 1種(有機溶剤、特定化学物質)、X線作業主任者

      キーワード

      溶液分析、XANES、沈殿、酸塩基、酸化還元、錯形成 


      所属別一覧