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所属:保健福祉学部 保健福祉学科 理学療法学コース 職位:准教授 学位:博士(学術)
研究室:県立広島大学三原キャンパス2515室
E-mail:takashima@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/read0086679
日英語のメンタルレキシコン・心的語彙情報処理過程の研究をしています。
英語リスニングとリーディングのパラレリズム,語彙情報処理の母語話者-学習者連続性,英文読速度の個人差・文章差,メンタルレキシコンの縮小,心的漢字情報処理
認知心理学的手法の実験を通じ英単語や漢字の音読反応潜時や正反応率を取得して分析することで,語彙情報処理過程の研究を行ってきました。応用的な方法で英語リスニング・リーディングの研究も行ってきました。英単語を日本語訳する際の正答率データベースである「英語語彙4,000翻訳正答率データベース」を構築しました(高島, 2002)。4,000という数は平均的な日本人大学生の英語語彙数に匹敵します。このデータは,英語母語話者の語彙判定・音読反応潜時との相関が有意です(Takashima, 2009)。英文難易度の予測変数として,英文読速度の個人差・文章差の研究や(e.g., 高島・本岡, 2009),TOEIC形式リスニング問題の難易度決定要因の研究に活用しました(高島, 2010)。英語リスニングとリーディングのパラレリズムとは,英語の読解と聴解に似た現象が観察されることです。この研究を通じ,同じ英単語を見て訳す場合と聞いて訳す場合の反応時間・正答率に有意な相関があることを実証しました(高島, 2015)。メンタルレキシコンの縮小について,ある日本人女性が83歳時から93歳時にかけてどの程度漢字知識を失ったか調査し,平均で年1%漢字知識が縮小すること,音読成績に漢字の習得容易性と習得時期とが影響を与えること,誤反応は視覚的誤りが多いこと,を発見しました(Takashima & Yamada, 2010)。
認知心理学的手法でメンタルレキシコン・心的語彙情報処理過程の研究をしています。メンタルレキシコンとは「心の中に辞書のようなものがあり,私たちはそこから情報を取り出して言葉を使っているのではないか」という発想から生まれた概念・用語です。心的語彙情報処理過程は,語形や意味など単語に関する知識が取り出されるプロセスです。以下のような研究を行ってきました。
■英語語彙4,000翻訳正答率データベース
英単語を日本語訳する際の正答率のデータベースです(高島,2002;高島・山田・國本・竹内,2000)。4,000という数は平均的な日本人大学生の英語語彙数に匹敵します。英文難易度の予測変数として,英文読速度の個人差・文章差の研究に活用しました(高島,2005;高島・本岡,2009)。
■語彙情報処理の母語話者-学習者連続性
前述の日本人大学生の英語語彙翻訳正答率と,母語話者の語彙判定・音読反応時間との有意な相関を明らかにしました(Takashima,2009)。
■リスニングとリーディングのパラレリズム
「パラレリズム」とは英語の読解と聴解に似た現象が観察されることです。この研究を通じ,同じ英単語を見て訳す場合と聞いて訳す場合の反応時間・正答率に有意な相関があることを実証しました(高島,2015)。
■読みが単一の漢字と複数の漢字の情報処理
読み方が単一の漢字は,複数の読みがある漢字よりも音読反応時間が早いことを実証しました。複数の読み方があって,読みの候補間で競合が起こると,音読反応時間が相対的に遅いようです(Kayamoto,Yamada,&Takashima,1998)。
■メンタルレキシコンの縮小に関する研究
ある日本人女性が83歳時から93歳時にかけてどの程度漢字知識を失ったか調査しました。平均で年1%漢字知識が縮小すること,音読成績に漢字の習得容易性と習得時期とが影響を与えること,誤反応は視覚的誤りが多いこと,を発見しました(Takashima&Yamada,2010)。
実験手法を「脳トレ」や簡易的な認知機能チェックに応用可能かも知れません。他分野の専門家と連携すればそのような方面から地域・社会に貢献できる可能性があります。
心理言語学,メンタルレキシコン,英語語彙情報処理,英語リスニング,英語リーディング,英文読速度,心的漢字情報処理