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辻  文(つじ ぶん)

印刷用ページを表示する 2022年4月1日更新

研究者紹介

辻文先生

所属:地域創生学部 地域創生学科 健康科学コース (兼)大学教育実践センター 職位:准教授 学位:博士(体育科学)

研究室:県立広島大学広島キャンパス1541号室

E-mail:tsuji@(@の後にドメイン画像を付けて送信ください)

研究内容:https://researchmap.jp/Bun.Tsuji

研究に関する自己PR

高温環境下での安静や運動時の生理反応(体温や呼吸・脳血流反応)とそのメカニズムについてヒトを対象に研究しています。これらを解明することで,熱中症予防や運動パフォーマンス向上のための新たな具体策を提案することを目指しています。

連携協力を検討している方々へ

熱中症の発生および運動パフォーマンスの低下を防ぐ具体策の提示を目指して,暑熱環境下での運動時や安静時における生理反応とそのメカニズムについて,ヒトを対象に研究を進めています。また,暑熱下での栄養・食事摂取について,熱中症予防に効果的な新たな飲料摂取の開発など,栄養学に関連した研究も行っています。加えて,高所環境下での低体温・凍傷予防への対策・提言を目指して,低酸素環境下での知覚反応(温度感覚・快適感覚)に関する研究も行っています。

実験では,ヒトを対象として,温度と湿度を制御できる環境制御室を用いて,暑熱環境下(寒冷も可能)や低酸素環境下で運動を行ってもらい,その際の深部体温および体温調節反応(発汗,皮膚血流),呼吸代謝反応,循環反応(血圧,脳血流),知覚反応(温度感覚・快適感覚)など様々な生体応答を測定・検討しています。

研究テーマ

特殊環境下(暑熱,寒冷および高所環境)での生理応答に関する研究,高所環境下の温度感覚・快適感覚に関する研究,熱中症予防に効果的な飲料摂取の開発,暑熱下の運動パフォーマンスに関する研究,性差や性周期が安静や運動時の温度感覚・生理反応に及ぼす影響

研究の特徴・内容

熱中症の要因としては,一般的に体温の上昇,脱水や循環調節の不全などが知られていますが,これらに加えて,近年,体温上昇時に起こる過換気 (過呼吸) が関与している可能性が明らかになってきました。実際に,熱中症で搬送された患者のうち3割もの人が過換気の症状を示していたことが報告されています。これまでの研究から,体温がおおよそ1.5℃上昇すると無意識のうちに過換気 (呼吸が速くなる) となり,この過換気によって脳血流量の低下を介した脳虚血や脳温上昇が起こり,これらが熱中症の一因であることが示唆されています。しかし,体温上昇時に過換気や脳血流低下が起こるメカニズムや,これらの反応を防ぐ具体的な手法については不明な点が多く,私は,これらを明らかにするために研究を進めています。実験では,ヒトを対象として,温度と湿度を制御できる環境制御室を用いて,暑熱環境下で運動を行ってもらい,その際の体温や発汗,呼吸,脳血流反応など様々な生体応答を測定・検討しています。

 また,温度感覚や快適感覚に関する研究も行っています。暑い,寒いといった感覚は,衣服の着脱やエアコンの温度調節といった行動性の体温調節反応を決定する上で非常に重要な感覚です。このような温度感覚に及ぼす高所環境 (登山時など) や暑熱環境の影響などを調べています。これらを明らかにすることで,スポーツウェアの開発や住環境の整備において有益な知見・情報を提供したいと考えています。

受験を検討している方々へ

日本の四季に代表されるように,私たちは様々な環境温下(高温,寒冷)で暮らしています。また,例えば登山時には高所(低酸素環境),水泳時には水中環境に曝されることになります。このような特殊(ですが,通常起こりうる)環境が安静や運動時の生理反応にどのような影響を及ぼすのかを調べるのが環境生理学です。私はこれまで,高温環境下での安静や運動時の生理反応(特に,体温の調節や呼吸・脳血流の調節)とそのメカニズムについてヒトを対象に研究してきました。これらを解明することで,熱中症予防や運動パフォーマンス向上のための新たな具体策を提案していきたいと考えています。

加えて,ヒトの温度感覚や快適感に関する研究も進めています。環境温の感知(暑い,寒い)や快適感(快,不快)の決定は,行動性の体温調節反応(衣服の着脱やエアコンの温度調節など)を決定する上で重要な感覚です。これら温度感覚や快適感が何によって影響されるのか調べることによって,スポーツウェアの開発や住環境の整備に役立つと考えられます。

健康科学コースの専門科目では生理学,生理学実験,スポーツ環境科学などの授業を担当しています。授業を通して,生涯スポーツ・健康づくりにはどのような運動が効果的なのか,また,運動時には身体の中でどのような変化起こっているのか,その仕組みと奥深さについて,主体的に学んでもらいたいと考えています。

論文リスト

    著書

      専門資格

      健康運動指導士,中学校教諭専修免許状(保健体育),高等学校教諭専修免許状(保健体育)

      キーワード

      高体温,熱中症,温度感覚,高所環境,体温調節,運動

      関連するSDGs項目

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      所属別一覧