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「発達障害治療学」は、作業療法学コースの3年前期に行う「専門領域特有の科目」の一つです。この授業では、発達領域の作業療法の基礎を、講義と演習を通して学習します。
昨今の医療の進歩を受け、お母さんのお腹の中にいる胎児の段階から、子どもとお母さん、そしてご家族への支援は始まります。そのため、授業では生まれる前の胎児が、お母さんのお腹の中でどのように成長するのか、また出産直後の赤ちゃんはどのように動き、どんな力があるのか、実際の映像を見ながら考えることからスタートしました。また、生まれたばかりの赤ちゃんを、ご家族はずっと抱っこやおんぶなど養育をしつつ、家事や仕事をすることになるので、新生児の人形をみんなで抱っこしながら授業を受けてみました。赤ちゃんがいるご家族は、首が座る前は本当に大変でしょう。学生も、いろいろな姿勢で楽に抱っこできるようチャレンジしていました。
グループ演習では、来年小学校に入学する子どもを想定して、障害があった場合、学校生活にどのような影響を与えるか、体験しながら検討しました。
教室に車椅子で入ると机は使いやすいか。筋力が弱かったら荷物の管理はできるか。また、両眼で空間を把握できないとき、机で字を書くときはどのように見えるでしょうか。
手の感覚が鈍くて麻痺がある場合、片手だけで鶴が折れるかも挑戦しました。縄跳びや、着替え、学校内の階段は危なくないか。また、休み時間は友達とボールなどで遊べるか。
演習した結果は、グループでの発表やレポートでまとめ、さらに考察します。
これらの授業の後は、発達障害のある子どものための作業療法の評価や支援を学び、後期は「発達障害治療学実習」として、地域の保育園に実際に出かける実習や、子どもの遊具・自助具の作成、CO-OPという、子どもの力を引き出す作業療法の演習を実践的に学ぶ授業を行います。
作業療法は「人の生活」そのものを支援するため、幅が広く、全てを大学時代に学べるわけではありません。しかし、県立広島大学では、学生自身の体験や考察を重視しています。
Webオープンキャンパスでは、作業療法学コース紹介や模擬授業、ゼミ紹介なども継続して視聴可能です。
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