ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 学生生活 > クラブ・サークル活動 > サークル活動 > オバマ・プロジェクトの学生が本学卒業生である切明さんの被爆当日の足どりをたどりました

本文

オバマ・プロジェクトの学生が本学卒業生である切明さんの被爆当日の足どりをたどりました

印刷用ページを表示する 2021年3月29日更新

令和3年3月22日(月),オバマ・プロジェクトの学生4名,教職員が,広島県立広島第二高等女学校 第二期生の切明 千枝子さんとともに,切明さんの被爆当日の足どりをたどるフィールドワークに参加しました。フィールドワーク参加後には,被爆当日の様子や戦争・平和についてなど,インタービューを行い,沢山の貴重なお話を聴くことができました。

なお,このフィールドワークは,被爆体験伝承者受講生「切明さんグループ」が研修活動の一環として企画され,本学学生,教職員も参加させていただきました。貴重な機会をありがとうございました。

 
記念碑 オバマプロジェクトメンバーとの写真
広島キャンパスにある第二県女記念碑の前で説明 オバマプロジェクトの学生と切明さん
被服支廠 メッセージ
切明さんグループのみなさんと被服支廠前で 切明さんからのメッセージ

【切明さんからのメッセージ】

平和というのは 

すわっていればやってくるものではありません

たぐりよせてつかみとり

しっかりと力を合わせて守らないと

どこかへ逃げてしまいます

 

2021・3・22 切明 千枝子


【参加した学生の感想】

人間文化学部国際文化学科 3年生 (オバマ・プロジェクト リーダー) 

時枝真暉

 広島県外出身の僕にとって被爆者の方と直接お話しする初めての機会でした。切明さんがお話してくださった被爆時の生々しい被害の情景は、今までの平和学習で僕が勉強してきた以上の残酷さがありました。

 大学敷地内にある碑石や被爆者の方の遺骨が大学の下に眠っているというお話は、県立広島大学の学生として語り継ぐ責任があると感じました。オバマプロジェクトとして伝承できる活動もしていきたいです。

 また、切明さんの学生時代のお話をお聞きした際に、今の大学生が自分で決められることの多さに気づきました。自分の力で変えられることが多いからこそ、どう行動するかを問われているように思います。オバマプロジェクトの一員としてインタビューさせていただいたのですが、個人的な人生の教訓も教えていただきました。

 今回のインタビューで最も心に残っているのは、「戦争を実際に経験してはいない私たち大学生が、戦争や原爆について考えるときに注意すべきことはあるか」という質問に対する切明さんの答えです。何かをすべきということはない、学生には学生ができることがあるという答えをいただきました。

 僕たちの活動で平和を少しでもたぐりよせ、掴みとれるように、切明さんがお話ししてくださったことを胸に刻み活動していきます。貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。


人間文化学部国際文化学科 2年生 

西井菜々実

 約15年間もの長い間の戦争の時代を体験された切明さんのお話は、私にとって今まで学んできた戦争のお話の何よりも生々しく、また想像を超えるつらさであることがひしひしと伝わってきました。被爆して大火傷を負う仲間に何も出来なかったこと、船に乗せられる馬の悲しそうな鳴き声、さまざまな情景がお話から浮かびましたが、その辛さを十分に感じることができないことを悔しく思います。

 しかし、切明さんは、「微力ながら無力ではない」とおっしゃってくださいました。この言葉に、いじめ、ハラスメントなど、まだ日常に”平和”が訪れているとは言えない今、私たちも行動することで平和に向けて少しでも近づくことができるのではないかと勇気をいただきました。

 また、「危害と被害は表裏一体」であると言うお話も私にとってとても考えさせられるものでした。戦争による被害にばかり目を向けるのではなく、日本も外国に対して危害を加えていたのだという事実をしっかりと受け止めて理解することが世界で平和を築くために必要であると学ぶことができました。

私たちが幸せであることを意識し客観的な視点を持ち続けた上で、平和に向けた活動に取り組み、今回の大変貴重なお話をいただけたことのご恩をお返しできたらと思っています。お忙しいところ、ありがとうございました。


人間文化学部国際文化学科 2年生 

大崎祐芽

 私は広島県出身であるにも関わらず、被爆者の方とお話しすることは初めてでした。ガラスが頭に刺さっている状態は今だと重症と捉えられますが、原爆投下時でその状態は何ともない状態とみなされていたという話が印象的でした。それ以上に酷い状態の人たちがいたということであり、治療をすぐにしてもらうことができず、痛みに耐えながら他の者たちを助けなければいけない状況にあったことが分かりました。皮膚がただれながらも学校に来た小学生、水を飲むことができず死んでいく人々、死体が何年も放置されたいた状況など切明さんのお話は今まで私が聞いてきた原爆についてのお話のどれよりも生々しく、どれほど残酷であったのかが痛いほど伝わってきました。そして私は二度とこのような悲劇を繰り返してはいけないと強く思うようになりました。 

 原爆という観点からみると広島は多くの被害を受けてきました。人々は辛く、苦しい生活を強いられてきたという点では被害者の立場だと言えます。しかし戦争という広い観点からみると、広島は軍都であり、中国人のことを「チャンコロ」と侮辱し、「チャンコロやっつけろ」といっていた事実があります。広島、そして日本は被害者であり加害者でもあるということ忘れてはいけません。被害者、そして加害者という立場をもつ広島から世界中で人々が平和な生活ができるように活動していきたいです。


人間文化学部国際文化学科 2年生 

重森亮俊

    自分は県内出身で、小学生の時から平和学習を通して原爆の悲惨さに触れてきました。しかし被爆された方から直接お話を伺うという機会は滅多に無くて、今回切明さん自身の体験や私たちへのメッセージといった非常に多くの言葉を頂けたことにとても感謝しております。    

 お話を通して、言葉ごときでは表現出来ない悲痛な思いが伝わってきて、改めて戦争の悲惨さを感じさせられるひと時となりました。全体を通して特に心に響いたのが切明さんが私たちへ語って下さったメッセージで、それは「平和を成就するためにはどんな些細なことでもまずは行動してみることが大事だ」というものです。私自身には小さな力しかありませんが、それでも目標を共にする方々がオバマプロジェクトにはいらっしゃるので、今後もその方々と力を合わせつつ平和に向けたアクションを起こしていけたらと思います。