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所属:生物資源科学部 生命環境学科生命科学コース 職位:准教授 学位:博士(農学)
研究室:県立広島大学庄原キャンパス3501号室
E-mail:abe*pu-hiroshima.ac.jp *を@に変えてください。
研究内容:https://researchmap.jp/0115
研究室Web:https://www.pu-hiroshima.ac.jp/site/kenkyu-shoukai/abe.html
「哺乳動物における卵子の凍結保存と体外培養」を機軸に,マウスやウシ,イヌなどを対象として,生殖工学技術(生殖補助技術)の開発を実用的な観点から進めています.ヒト不妊治療や動物生産,希少動物保護など幅広く貢献できる研究です.
1.哺乳動物における未受精卵の凍結保存およびその影響解析
2.高い発生能の受精卵を作出するための体外成熟技術の開発
3.未発育卵子(卵胞)の体外発育培養による高品質な卵子の大量生産システムの確立
4.ウシ精子における受精能を制御する因子の探索と受精率を向上させる精子処理法の開発
5.卵子のエピジェネティクス解析による生殖補助技術の安全性の検証
6.汎用性の高い新たな卵子保存法の開発
7.イヌ卵子における体外成熟法の開発
8.卵子およびメス生殖器における放射線被ばく影響の評価
卵子の凍結保存では,排卵前のステージ(未成熟)を対象に研究を行っています.このステージは受精前ですので,パートナー不在のガン患者や家畜の育種改良へ適用できるなど汎用性が高いうえ,卵核胞で染色体が保護され,凍結に対する高い抵抗性を期待できますが,実際には凍結処理による品質低下を免れません.そこで,細胞小器官(ミトコンドリア,小胞体など)やエピジェネティクスの解析を通して凍結保存による影響を解明するとともに,安全で実用的な技術を開発しています.また,体外成熟した卵子は,排卵卵子(体内成熟)に比べて受精後の発生能が低いことが課題ですので,成熟培養法を改良することで,凍結障害を受けた卵子のみならず,新鮮な卵子の発生能を向上し,効率的な産子獲得を実現するシステムの確立を図っています.加えて,イヌ卵子の体外成熟によって,優秀な盲導犬などの生産に加えて,ペット産業の問題として提起されている無計画な大量繁殖,さらには引き取り手が見つからずに殺処分されるケースを減らすことを目指しています。
家畜人工授精師・家畜受精卵移植師
動物生殖科学,生殖工学,生殖補助技術,卵子,精子,凍結保存,体外成熟,マウス,ウシ,イヌ