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所属:保健福祉学部 理学療法学コース 職位:講師 学位:博士(保健学)
研究室:県立広島大学三原キャンパス2320号室
E-mail:m-kanazashi@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/m-kana
健康増進やアンチエイジングに焦点を当てています。運動不足や肥満による生活習慣病を対象に、骨格筋が分泌するマイオカインに着目し、栄養や運動を組み合わせた新たな予防・治療法の開発を進めています。基礎研究から臨床研究への展開を通じて、より効果的なアプローチを提供していきます。
糖尿病性サルコペニアのリスク予測バイオマーカーの開発、栄養介入を組み込んだ新しい理学療法アプローチの開発、透析患者におけるAGEsとサルコペニアの関連性の検証、エクササイズピル・マイオカインに着目した治療法の開発、性ホルモンが毛細血管障害に及ぼす影響の検証(女性の健康に関する研究)、たんぱく質の摂取タイミングが骨格筋量・脂肪量・毛細血管形態に及ぼす影響の検証
『筋肉』は身体の約50%を占める最大かつ重要な器管であり、筋肉量が多いほど健康で長生きできることが分かっています。我々の研究グループでは、サルコペニア・糖尿病・廃用による骨格筋の衰弱予防を目指し、組織や分子レベルでの詳細な手法で研究を進めています(リアルタイムPCR法・ELISA法・Western Blotting・蛍光免疫染色)。また、各疾患により生じる酸化ストレスに対して、抗酸化栄養素(アスタキサンチン、プロポリスなど)を予防的・治療的に用いることで、酸化ストレスの抑制を介して効果的に筋障害を抑制することを明らかにしました。その基礎研究の結果をもとに、閉経後女性を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施し、プロポリス摂取が酸化ストレス抑制およびアディポネクチン増加を介した脂肪量減少に有用であることを明らかにしました。加齢や疾患による筋萎縮を予防するために、各疾患に適した栄養介入(たんぱく質・抗炎症・抗酸化栄養素)と運動の方法を検証しています。また、高齢者や肥満者では効果的な運動を継続することが困難な場合も多いことから、運動と同じ効果をもたらす薬「エクササイズピル」や骨格筋から分泌される生理活性物質「マイオカイン」に着目した治療法の開発に取り組んでいます。
PT養成校は279校に増加し、年間1万人の理学療法士が養成されます。社会的需要が高い一方で、今後はさらなる専門性の向上と病院のみならず様々な職域での活躍が期待されると考えています。医療の発展において基礎研究は必要不可欠であるにもかかわらず、保健学分野では基礎研究を学べる設備を有する大学は非常に少ない現状にあります。本学(国公立大学は約25校)は基礎から応用までの研究設備がたいへん充実しており、卒後にリーダーとして活躍できる学生の育成と研究力の強化に注力しています。
【卒業研究テーマ(一部)】基礎研究の知識は日常生活でも健康に役立つ!!
*たんぱく質を朝食で摂取する方が夕食で摂取するよりも筋肉量が多くなる?
*貯筋(筋萎縮予防)には高強度インターバルトレーニングよりも中強度持久運動の方が効果的?
『骨格筋』はヒトにおいて最大の臓器であり、糖代謝と身体運動において最も重要な器官であるため、骨格筋の機能維持に関わる研究の発展は疾患予防および高齢者のQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)の改善に直結します。
我々の研究室では、骨格筋機能に対する運動と栄養を用いたアプローチ法を検討することで、運動器症候群、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの疾患予防・治療を目指しています。メカニズム解明を目的とした基礎的研究および、その結果をもとに地域や病院・施設などにおいて臨床研究も進めています。
【基礎】*食品由来成分(サプリメントなど)が運動器に与える影響を検証
共同(連携)研究実績:富士化学工業株式会社・アスタリール株式会社・株式会社カネカ・ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社・神戸大学大学院保健学研究科
【臨床】*ブラジル産プロポリス摂取による高齢者の易疲労性の改善効果に関する研究
*透析患者におけるAGEsとサルコペニアの関連性の検証
共同研究実績:神戸大学大学院保健学研究科・岡山医療専門職大学・透析専門施設
理学療法士, 福祉住環境コーディネーター(2級), 食生活アドバイザー検定(2級)
骨格筋、栄養、物理療法、糖尿病、肥満、血管、アンチエイジング、ヘルスプロモーション、リハビリテーション
運動器症候群(ロコモ)予防効果を促進する運動と栄養の新規併用法の開発|県立広島大学 SDGs特設サイト (pu-hiroshima.ac.jp)