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昭和期を代表する作家の一人・三島由紀夫(1925-1970)の代表作を、彼の「本棚」(=蔵書)に注目しながら読み解きます。
生前には2度にわたってノーベル文学賞の候補に挙げられ、その「天才」ぶりが強調されることも多い三島ですが、その文業は、古今東西の「名作」を「読む」という体験に強く支えられていました。
本講座では、こうした三島の「読書体験」と「創作行為」との関係に着目しながら『仮面の告白』と『春の雪』の2篇を読み直すことで、これらの小説の成立基盤や魅力を明らかにします。
第1回:『仮面の告白』の成立基盤 県立広島大学 地域創生学部 福田涼 講師
三島由紀夫の出世作『仮面の告白』(1949年)では、外国文学からの夥しい数の引用が行われています。本講座では、三島の蔵書に含まれる幾つかの書物を参照しながら、『仮面の告白』の成立基盤と、本作の時代的意義を浮き彫りにします。
第2回:「姦通小説」としての『春の雪』 県立広島大学 地域創生学部 福田涼 講師
これまで『浜松中納言物語』や『源氏物語』といった「王朝文学」からの影響が色濃く反映された小説として読まれてきた『春の雪』(『豊饒の海』第1巻、1965-1967年)を、フローベール『ボヴァリー夫人』やラディゲ『肉体の悪魔』といった西洋の「姦通小説」からの影響を踏まえて読み直すことで、本作の「小説」としての仕掛けに迫ります。
詳細はこちらもご参照ください→公開講座「三島由紀夫の「本棚」―翻訳文学を中心に―」チラシ [PDFファイル/1.39MB]
第1回:令和7年11月28日(金曜日)
第2回:令和7年12月5日(金曜日)
時 間:10時30分~12時00分
広島市宇品公民館 4階 研修室1(広島市南区宇品御幸四丁目1番2号)
対面
日本の近代文学や三島由紀夫に興味がある方
対面:25名
無料
11月5日(水曜日)9時00分より受付開始
宇品公民館へ電話もしくは来館にて
電話:082-253-2529
住所:広島市南区宇品御幸四丁目1番2号
※先着順です。お早めにお申し込みください。
県立広島大学地域連携センター
電話 082-251-9534
E-mail kouza@pu-hiroshima.ac.jp