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9月10日から9月12日にかけて,東北工業大学で開催された日本音響学会秋季研究発表会に参加し,ポスター発表を行いました。
私は,音声認識システムにおける「雑音混入下の認識性能が著しく低下する」という課題に対し,深層学習モデルにベイズ推定を適用した「ベイズ深層学習モデル」を提案しました。深層学習では複雑な確率モデルを扱うため,解析的な計算を行うことは困難です。そこで,ベイズ推定において用いられる期待値伝播法を適用し,事後分布の近似を試みました。
今回の学会発表は2度目であったことから,前回と比べ緊張することなく,落ち着いて発表することができました。特に,ポスター形式での発表だったため,質問者と1対1で対話しながら説明できた点も,落ち着いて発表することができた要因の一つだと思います。また,「雑音を混入した状態でも音声認識が可能である」という点に興味を持っていただけたことは,大変嬉しく思いました。
ポスター発表の後には,他の参加者によるポスター発表や口頭発表も拝見しました。音響学会は非常に規模が大きく,学生に加えて,多くの企業関係者や大学の研究者による発表も行われていました。内容も,音声,聴覚,騒音,音楽など,音に関する多様な分野にわたっており,大変刺激を受けました。私は音声認識を専門としているため,専門分野に関する知見を深めることもできたのはもちろんのこと,他分野の研究にも強く興味を惹かれ,非常に有意義な時間となりました。
今後は国内での発表にとどまらず,国外での発表の機会にも備え,英語力の向上にも努めながら,研究者として一層の研鑽を積んでいきたいと考えています。