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岡田 守弘(おかだ もりひろ)

印刷用ページを表示する 2024年4月1日更新

研究者紹介

okadam

所属:生物資源学部生命環境学科生命科学コース 職位:准教授 学位:博士(理学)

研究室:県立広島大学庄原キャンパス5502号室

E-mail:okadam*pu-hiroshima.ac.jp  *を@に変えてください。

研究内容:https://researchmap.jp/okadamorihiro

研究に関する自己PR

がんが進行すると全身に異常が生じて不調になりますが、その分子機構の多くは未だに不明であります。ショウジョウバエをモデルとし、複雑ながんによる全身症状の分子機構をシンプルに理解して、ヒトを含む生物に保存された共通原理の発見を目指しています。

専門分野

遺伝学、病態医化学、がん生物学

研究テーマ

がんの発生に伴い全身不調が生じる際の分子機構の解明、食品成分ががんによる不調に与える影響の解明、個体レベルでのストレス応答機構の解明、恒常性維持のために臓器同士が連関する機構の解明

研究の特徴・内容

がん細胞自体の理解と、生体ががんによる全身症状で不調になり死亡する原因を理解することとの間には大きな隔たりがあります。そのため、がん細胞が宿主組織やその代謝にどのように影響するかについての理解は限定的であります。

私は、個体レベルの解析に適しているため、新たながん悪液質モデルとして注目を浴びているショウジョウバエを用いてこの課題に取り組んでいます。これまでにがん細胞が分泌するタンパク質が、がんによる全身症状の不調に関わっていることを明らかにしました。さらに、がん細胞自体を変化させなくても、がん細胞から離れた組織の代謝状態を変化させるだけで、生体の死を回避させることに成功しました。この成果は、たとえがんが存在したとしても、全身症状のコントロールにより生存率の改善を目指せる可能性があることを示しています。

将来的には、ヒトを含む生物に保存された、がんによる宿主の病的変化の普遍的な分子機構の発見を目指します。

受験を検討している方々へ

がんのようにストレスが大きすぎる場合、なぜ生体は体調が悪くなり、最終的に死亡してしまうのでしょうか?一見、簡単な課題のようで、すでに解決されていると思われるかもしれません。しかし、解析が非常に困難なため詳しいメカニズムの多くは分かっていません。私は、個体丸ごとの解析に適したショウジョウバエを使って、この難問を明らかにしようと研究しています。「虫を使ってがん研究をする意味はあるのか?」と思われた鋭い受験生の皆さん、ぜひ庄原キャンパスでディスカッションしましょう!お待ちしております。

 

連携協力を検討している方々へ

ショウジョウバエはヒトの疾患関連遺伝子の75%以上が保存されているため、生物医学研究で広く使用されているモデル生物であります。他のモデル動物においても遺伝学が発展してきたとはいえ、依然として多細胞生物を使った研究分野において、ショウジョウバエの遺伝学手法は他の追随を許さない水準にあり、普遍的な生命現象の理解に大きく貢献してきました。細胞レベルでの新規知見を哺乳動物で検証するには時間、手間、費用がかかります。しかし、安価なショウジョウバエを用いて洗練された遺伝学を駆使することで、生理状態を反映した個体レベルでの解析を網羅的に迅速に解析することができます。ぜひ、お声掛けをお待ちしております。

論文リスト

    著書

      キーワード

      がん悪液質、臓器連関、ショウジョウバエ、ストレス応答、分泌タンパク質 

      関連するSDGs項目

      349

      関連情報

      進行がんの全身悪化に関わるタンパク質を発見 理研、生存率やQOL改善に期待

      科学技術振興機構Science Portal

      https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/clip/20230606_g01/

      がん悪液質、神経回路形成への関与が知られる「ネトリン」が治療標的候補に-理研

      医療NEWS

      https://www.qlifepro.com/news/20230522/netrin-cancer.html

       


      所属別一覧