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奥田亜衣さん(2017年度卒業)からのメッセージ

印刷用ページを表示する 2023年9月29日更新

奥田さん

奥田 亜衣

2017年度卒業

広島市役所勤務

県立広島大の学び

私は広島市立基町高校を卒業して1年間の浪人生活を経てから,2013年4月に県立広島大学人間文化学部国際文化学科(地域文化コースの前身)に入学しました。入学当初は国語科の教員になりたいと考え,日本語や教員免許に関する授業を数多く履修しました。そのうち,「日本語表現」という授業で,「歌合(うたあわせ)」を体験したことを今でもよく覚えています。「歌合」とは,歌人が左右に分かれて,特定のお題に関する和歌(五七五七七)を詠みあい,技巧やお題との整合などの観点からどちらの和歌が優れているかを競い合うもので,授業では歌集の中から,対となった和歌を選び,自分が和歌を評価する立場となり,技巧が優れている点などを挙げ,勝敗を決めるのが興味深かった記憶があります。そして,興味深い授業が多かったことや国語科の教員免許を取得することから,4年間で多くの授業を履修することになり,最終的には卒業必要単位数124に対して約200も単位を取得しました。

4年時には日本語を専門とする先生のゼミに入り,「労働現場におけるやさしい日本語」という題目で卒業論文を執筆しました。とても興味のあるテーマだったこともあって筆が進み,国際文化学科で決められた卒業論文の最低文字数は2万字でしたが,私は約8万字の卒業論文を書きました。それに加えて,日本語を母語としない在留外国人向けの「やさしい日本語」版労働マニュアル(約8万字)も作成したため,私は合計約16万字の卒業論文を提出しました。自分の興味あることをとことん追求できたことの達成感は半端なかったです。

公務員の受験と仕事

大学3年から始めた就職活動では,自己分析などはあまり行わずに自分がやりたいこと,なりたいものを優先し,就職活動先を非営利組織に絞りました。具体的に,大学3年の10月から県立広島大学の公務員試験対策講座を受講したり,公務員試験対策の専門学校に通ったりして,公務員試験の受験勉強を始めました。受験勉強と並行して民間企業の面接を受けたり,教員免許取得のための教育実習に行ったりしましたが,大学4年の6月に広島市の一次試験(筆記試験),7月に二次試験(小論文・面接),8月に最終試験(面接・集団討論)を受験し,広島市から採用内定通知をいただくことができました。

2018年4月に広島市に入庁して最初に配属されたのは商業振興課です。ブランド品の認定・発信,広島市の特産品を中心に魅力を紹介する雑誌の制作など,広島市の商業振興にかかる仕事を2年間担当しました。他には広島市と姉妹・友好都市である大邱市と経済交流のイベントを行うことがあり,県立広島大学で英語や韓国語を勉強していたことが役立ったと実感しています。

2020年4月からは安佐南区役所厚生部福祉課に配属され,待機児童問題を含めた幼稚園・保育所への対応,保育所入所審査などを担当しました。この時は,後輩職員を指導する立場になったこと,福祉分野はチームで業務を推進することが多いこと,さまざまな家庭の親子関係に対応する必要があることから,県立広島大学で教育学や心理学などの授業を履修したり,教育実習に行ったりした経験が役立ちました。

2023年4月からは国際化推進課に配属され,多文化共生担当として,広島市に在留する外国人への支援にかかわる業務に従事しています。ここでは,商業振興課時代と同様に英語や韓国語を勉強したことが役立つとともに,外国人市民への日本語教育について事業を検討,実施することや講師を招へいして広島市職員向けの「やさしい日本語」研修会を開催する機会があり,日本語関係科目を勉強したことや「やさしい日本語」について研究したこと(約16万字書いたこと!)がとても役立っています。

高校生の皆さんへのメッセージ

こうした私の経験からいえることは,大学卒業後の就職は何とかなるということです。学生時代ほど自由な時間があることは後にも先にもありませんので,その自由な時間を自分が楽しめることにしっかり使ってほしいと思います。私の場合は日本語・日本語教育が興味の主対象でしたが,興味のあること,やりたいことを追求していけば,その経験が就職活動にもつながるし,そこで得た知識等が就職後の職業生活に何らかの形で必ず役立つと思います。