本文
10月23日(土)にオンラインで開催された2021年度(第72回)電気・情報関連学会中国支部連合大会において,コンピュータネットワークを研究する情報学分野の研究室に所属する複数の学生が研究発表を行いましたが,この度,3つの学会(電子情報通信学会,情報処理学会,電気学会)から表彰を受けることになりました。
・学会Webページ:https://rentai-chugoku.org/index.html
■このたび表彰を受けることになった研究発表(○は当日の講演者)
(1)タイトル:移動中Publisherのコンテンツ配信を可能にするキャッシュ管理手法の検討
発表者:○岩本太壱,重安哲也
表彰を受ける賞:
(2)タイトル:全二重通信による送信機会増加とネットワークコーディングを利用したブロードキャストプロトコル
発表者:○西本美優,重安哲也
表彰を受ける賞:
岩本さんは,情報マネジメント専攻1年生ですが,学部時代の成績が優秀であったために,学部・修士5年一貫教育プログラムの適用者として,1年間で修士課程を修了するために,現在,修士論文の執筆中です。
当日の発表では,スマートフォンなどの高度化により,移動しながらコンテンツを生成した場合にも,視聴者となる複数のユーザに途切れることなくコンテンツ配信を可能とする技術について新しい仕組みを開発し,成果を発表しました。
関連する研究成果は,すでに本学Webページ上のニュースでお知らせしたように,国際会議でも発表を行い,同じく表彰を受けているところですが,このたび,国際会議での発表内容をさらに進歩させた手法の成果が,3つの学会から同時に受賞されることになりました。
1年間の学会活動で4件の学会表彰を受ける高い評価をされた岩本さんの研究ですが,最後の残された期間で,完成される修士論文の内容が楽しみです。
(参考記事)国際会議での岩本さんの受賞(10月12日報告):
https://www.pu-hiroshima.ac.jp/site/graduate/gradmis20211012.html
また,西本さんは,岩本さんと同じ研究室に所属していますが,研究では,全二重無線通信の高度化に関する研究に取り組んでいます。無線通信では,従来,送信と受信を同一の周波数(チャンネル)で同時に行うことは困難でした。これは,自分の送信が自分の受信アンテナに回り込むことで,遠隔からの受信を妨害する自己干渉が発生するためです。しかし,近年の信号処理技術の高度化から,自己干渉を抑制する技術が開発され,無線でも送受信を同時に同一周波数で実施する目処が立ってきました。西本さんは,この無線全二重通信の送信アルゴリズムの高度化に取り組み,受信失敗時の効果的な再送方式を開発し,学会で発表しました。10月23日の学会発表は,西本さんにとって,初めての学会発表でもあり,とても緊張していた雰囲気ですが,このように,発表内容が高く評価されたことは,西本さんの自信につながると確信しています。
西本さんは,学部で大学を卒業し,4月からは最先端のデータサイエンスに取り組むICT企業に就職するため,現在,卒業論文の執筆に全力を尽くしています。西本さんの卒業論文も優れた内容にも期待が高まります。
岩本さんの発表スライド
西本さんの発表スライド