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この記事では、不定期で生命環境学科環境科学コースの卒業生の声をお届けします。
今回は、フジクリーン工業で活躍されている中野勲さんです。橋本研究室(水質衛生学)で学んだことを生かして、お仕事をされています。
私は、浄化槽・産廃処理槽のメーカーであるフジクリーン工業((株))で働いています。
入社後の3年間は、本社の技術管理部という部署で、施工・維持管理について学びながら、主に浄化槽の設計を行っていました。4年目からは東京支店の技術課に配属となり、浄化槽や産廃処理槽の維持管理についての指導や維持管理講習会の講師、そして、水質不具合の改善や調査を行っています。現在では、東京・埼玉・千葉・神奈川・栃木・群馬・茨城と活動範囲が広がり、各地を飛び回っています。
業務では、汚水処理に関わること以外にも、土木・建築・力学などの多くの知識が必要とされており、学生時代に勉強した内容と大きくかけ離れてはいますが、日々勉強しながら業務に励んでいます。大変な業務ではありますが、私が介入したことで、浄化槽の水質改善が達成できたときはとてもやりがいを感じますね。
学生時代で学んだことの中で、今も活きていることとしては「論理的思考のトレーニング」ですね。自身の学生時代を振り返ってみると、研究を進める(計画~実験・調査)・まとめる(論文)・発表する(プレゼン)という過程の中で、論理的思考のトレーニングをしたと思っています。
現在の業務では、現場で得られた情報を即その場でまとめ、相手に理解してもらうよう説明することが要求されています。そのため、こういった思考や話す力はトレーニングしておいてよかったと感じます。もちろん、汚水処理に関わる知識も必要になるのですが、これは学生時代よりも入社後に勉強したことがほとんどなので、学生時代に学んだ専門的知識よりはそういった物事への考え方の方が役に立っていますね(笑)。
私自身、後期試験の入学だったので他の卒業生の方々ほど、高い志はありませんでした(笑)。
ただ、川や海などの自然が好きだったということもあったので、環境について学ぶのもいいかなと思い志望先として選んだと思います。
入学後の話になりますが、1つの学問だけでなく様々な学問(物理,化学,生物,公衆衛生,統計,経済,…etc)に触れる機会があったので、自身の行いたい研究・仕事など将来の方向性に決めるきっかけはたくさんあったと思っています。
私の場合、ざっくりとしたイメージで入学し、実際に大学での授業等を通して、水に関わる研究・内容が学びたいと思い、就職先も水に関わる仕事を選び、決まりました。たまたま運が良かっただけかも知れませんが、結果的にも環境科学科を志望して良かったと思います。
思い出すとキリがないのですが、大きく二つあります。1つは、学生時代に熱中したこととして、部活動についてです。
学生時代はダンス部に所属しており、仲間とひたすら練習をしたり、イベントに行ったりとダンスに没頭していました。柔剣道場のカギをいかに早く借りるか(早く自主練をするか)、の競争を平日・休日問わずしていましたね。仲間と一つのことに打ち込めたことは今もいい思い出となっています。
2つ目は、苦労したけど楽しかったこととして、研究室配属後に行っていた実験です。
いくつか行った実験の中でも印象的なものを紹介すると、水を延々とろ過する実験ですね。
当時はフィルターろ過に関する研究をしていたため、ろ過性能の確認実験を行う必要がありました。様々な種類の水でろ過方法を変え、ろ過できなくなるまで何度もろ過する実験を1日中行っており、扱う水の特性上※、窓が開けられない・冷房が使えない状況もあったため、夏場は後輩と汗だくになりながら、水を延々とろ過し続けたことは今でも良い思い出です!(泣)
※エアロゾル吸引による感染リスクを下げるため、レジオネラを含む水を扱う場合、飛沫が拡散しないようにする必要がある。
大学生活では自由な時間が多く、様々なことに触れるきっかけもたくさんあります。もちろん、大学生活でどこに重きをおくか、どのように過ごすかは個人の自由ですが、せっかくお金を払って大学生活を送るのであれば、他の人や他の大学では得られないような経験や知識を身に着けた方が得だと思います。
私は、学部~大学院までの6年間を庄原キャンパスで過ごしましたが、この庄原キャンパスという限られた状況下で行った努力や得られた経験はかけがえのないものだと思っています。受験生および在校生の皆さんも大学生活が貴重なものだったと思えるよう、良い大学生活を送ってみてください。
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生物資源科学部生命環境学科環境科学コースの小林研究室では環境システム学の研究をしています。ご関心のある方はぜひウェブサイトをのぞいてみてください。
・橋本教授