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この記事では、不定期で生命環境学科環境科学コースの卒業生の声をお届けします。
今回は、中電環境テクノス株式会社で活躍されている上野智貴さんです。内藤研究室(水圏環境化学)で学んだことを生かして、お仕事をされています。
私は現在、中国電力株式会社へ出向しており、原子力発電所の機器に対して地震による損傷確立を算出する機器のフラジリティ評価を行っています。
入社後4年間は原子力部に配属され、島根原子力発電所で勤務しました。その際の仕事は島根1号機の廃止措置(廃炉)や放射性廃棄物の管理でした。この廃止措置というのは運転を終了した原子力発電所を約30年かけて安全に解体撤去する作業であり、私が具体的に行った内容としては1号機を構成する機器(数万点)を対象に放射能汚染の形態やレベルを整理してマスターデータとして取り纏めたり、今後の解体撤去工事に必要な機器の汚染レベルを反映した系統図を作成したりしました。
内藤研究室では、「広島湾における栄養塩・微量金属濃度の挙動と赤潮原因プランクトン発生との関連性」を研究していました。
研究内容や実験操作そのものではなく、卒論研究を進めていくために培った能力が仕事をする上で活きていると感じます。まず、研究の背景と目的を明確にすることは、何のためにこの仕事(業務)をしているか(ニーズ)を意識することに繋がっています。次に、卒論発表日や論文提出日をゴールと捉え、それまでに実験をして、その結果や考察をまとめ、先生へ相談して、卒論用の文章を書いて…と何をいつまでに実施する必要があるのか悩んでスケジュールを考えた経験は、仕事においても重要度や期限を意識し優先順位をつけて各業務を行うことに繋がり、自律性や主体性に寄与したと考えています。まだまだ学んだことが役立っていることは多数ありますが、実験結果の捏造や虚偽報告をしないことやコミュニケーションを積極的にとることなど基本中の基本ですが、最も大切だと初心を忘れないように仕事をすることを心がけています。
・環境分野(特に水圏環境)に興味があったため。
・中学校および高等学校の教員免許が取得できたため(現在は教員ではありませんが、高校生のときの将来の夢でした)。
大学生活開始前は、初めての一人暮らしや新たな人たちとの出会いに対する期待や不安でいっぱいでした。入学後すぐに、一緒に講義を受けたり、旅行に行ったりする気の合う友人ができ、充実した学生生活を送ることができました。そこで感じるのは、コミュニティに所属する大切さです。私はテニス部に所属し、塾と飲食店でアルバイトをしていましたが、そこでは大学生だけでなく、塾長や店長といった社会人とお話しできる貴重な機会になったと思います。
3年生から卒業論文研究(研究室配属)が始まり、4年生では教育実習や他大学大学院の受験勉強などで日々忙しかったですが、アルバイト・部活や旅行・ごはんなど仲間や友人たちと多様な経験ができたことは、今振り返っても良い思い出です。
大学4年間は、さまざまなことにチャレンジでき、人生における自己成長のために大きな意味を持っていると思います。私は国内旅行ばかりで、海外旅行をしなかったことを後悔しています。将来できるだけ後悔しないように、今やりたいことを全力でやってみてください!
私は国立大学の大学院も経験しましたが、県立広島大学(庄原キャンパス)の良さは学生と教員・職員(教学課やキャリアセンターなど)の距離が近く、相談しやすいアットホームな環境だと感じます。出願を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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生物資源科学部生命環境学科環境科学コースの内藤研究室では水圏環境化学の研究をしています。ご関心のある方はぜひウェブサイトをのぞいてみてください。