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卒業生たちが社会でどのように活躍しているかを紹介する“【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声"、今回は、生殖科学を研究している山下研から、岡山県職員で畜産関係の部署におられる川本絵梨さんと庄原市役所に勤務されておられる三輪智弘さんです。
川本梨絵(岡山県立大安寺高等学校 2019年生命環境学部生命科学科卒業)
Q1. 現在のお仕事について教えてください。
地元の岡山県に畜産職として入庁しました。県では、配属先によりますが、主に、畜産振興に関する補助事業の推進や畜産技術の普及指導、試験研究などを行います。現在は、備中県民局農林水産事業部農畜産物生産課に所属し、新見地域事務所に勤務しています。補助事業を活用した、畜舎整備や機械導入による支援だけでなく、牛舎で牛の様子を見ながら、飼料給与や飼育環境の改善提案などを通じ、畜産農家さんをサポートしています。
Q2. 庄原キャンパスでの大学院・学生時代はどのように過ごされていましたか?
学生時代は、学業はもちろんですが、サークル活動や部活動、アルバイトもして過ごしました。庄原キャンパスでは、県外出身で一人暮らしの学生が多いこともあり、学生間のつながりの強さが特徴的だと思います。
特に、3年次から研究室へ配属されるため、卒業までの2年間を通じて、試験研究に取組め、苦悩もありましたが、ゼミ旅行などの行事もあり、楽しい研究室生活を送ることができました。また、私が公務員を目指すきっかけは、研究室の先生や先輩方の後押しのおかげです。山下研究室では、進路先として公務員を選択する方が多く、OBやOGの方々からお話を聞く機会もあり、サポート体制が充実していました。
3年次の冬から4年次の夏までは、試験研究と就職活動の両立が必要です。私は、地元就職希望で、公務員試験と並行し一般企業も受けたため、実験との両立が難しかったですが、研究室の皆さんのご理解とお力添えのおかげで乗り越えられたと思います。
研究室の先生や同期、先輩、後輩に恵まれ、うまくいかない時も、お互いに励まし合いながら、過ごすことができました。
Q3. 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事にどのように生かせていますか?
現職場では畜産の普及業務も担うため、現場指導や調査活動において、農学分野の家畜繁殖生理等の専門知識が活かされてると思います。
また、仕事では、業務のスケジュール管理や調査結果のデータ処理、報告書等の資料作成が求められます。研究室において、実験の進捗管理やデータ処理等を行う中で身につけた、エクセルやワード等の基礎的なスキルが役立っています。
Q4. 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?
初めて庄原市に訪れたのは、大学受験でした。当時は、芸備線にゆられ、積雪を歩き、田舎にやって来たという印象がとても強かったです。しかし、学生生活を思い返すと、部活動での農業支援やガーデニング制作の取組み、友人と車で山陰旅行など、「庄原」という環境だからこそ、勉学以外でも様々なことに挑戦できだと思います。仲間と共に過ごした充実した4年間だったと実感しています。
Q5. 最後に一言
大学進学に向け、進学先に悩まれているかと思います。庄原はアクセスが不便な面はありますが、庄原という環境だからこそ、経験できることも色々あります。大学生活で得た知識や経験、つながりは一生ものです。社会人になれば、自分の自由な時間は少なくなるため、大学生で様々なことに挑戦していってください。自分のやる気次第で、環境は変わると思います。庄原で有意義なキャンパスライフを過ごしてみませんか
三輪智弘さん(広島県立廿日市高等学校 2019年生命環境学部生命科学科卒)
Q1. 現在のお仕事について教えてください。
広島県庄原市役所の林業振興課で、森林の持つ公益的機能を維持発揮させることを目的とした森林整備の促進などの林業振興に関する仕事をしています。具体的には、長期間放置されているスギやヒノキといった人工林の解消や風倒木の放置、竹林の侵入など手入れされず課題を抱えている里山林の整備等の業務に携わっています。
過去には選挙や統計、体育施設の管理等を行うなど、所属する機関や部署によって多種多様な業務があり、幅広い分野において住民に近い立場から総合的な行政サービスを行うことができる点にやりがいを感じています。
Q2. 庄原キャンパスでの大学院・学生時代はどのように過ごされていましたか?
学生時代は学業だけではなく、部活動やアルバイトなど多くのことに取り組みながら生活をしてきました。他大学の学生や自分とは異なる世代の方との交流を行うことにより、様々な価値観に触れることができ、自身の考えや視野を広げて行きました。研究室配属後には、山下准教授のもとで卵成熟のメカニズム解明を目的に研究をしてきました。その分野における最先端の内容の一端に触れることができ、研究の進め方等の難しさを感じることもありましたが、非常に貴重な経験を得ることができました。自分の興味のあることに対して、寝ても覚めても取り組むことができたのは、後にも先にもこの時だけであったと思います。
Q3. 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事にどのように生かせていますか?
現在携わっている業務と大学時代で学んだことが大きく離れており、直接的に活かす機会はほとんどありません。しかし、研究を通して身についた論理的思考力や卒論に取り組むことにより養われた文章構成力は、仕事を遂行するうえで必要不可欠な能力の1つであると考えています。
Q4. 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?
初めて庄原キャンパスを訪れた時には、周囲の広大な田んぼや綺麗な星々に驚かされたことを覚えています。都会とは異なり不便さを感じる面もありますが、農家の方との交流や大自然でのキャンプといった地方ならではの体験をすることができ良かったです。また、学生寮での生活を通して学生同士の関係を深めることができ、卒業後にも交流がある友人を持つことに繋がりました。
Q5. 最後に一言
私は入学当初から具体的な目標があった訳ではありませんでしたが、「1度しかない大学生活だから、積極的にチャレンジしたい」と考え、学業だけではなく部活動やアルバイト等、どのようなことに対しても全力で取り組んできました。このように取り組むことができたのは、庄原キャンパスという地方の大学だからこそ、誘惑が少なく学業に専念することでき、友人や先輩等と密接な関係構築ができたためであると考えています。全てが上手くいった体験ばかりではありませんが、失敗した経験も含めて自分を大きく成長させるきっかけになりました。
学生時代は自分の時間を多く確保でき、非常に活力にあふれている時期です。だからこそ、庄原キャンパスで多くのことにチャレンジするとともに、様々な体験を通して自身の成長に繋げていっていただけたらと思います。
仕事中の三輪さん
今回紹介したように、卒業生は都道府県や市役所職員、さらには国家公務員などとして全国で活躍しています。今回書いてくださった三輪さんのように本学部のある庄原市で公務員として活躍しておられる方もいます。
本学のキャリアセンターでは、公務員採用試験対策講座・筆記試験対策講座なども開いています。
また、庄原キャンパスでは、国家公務員や都道府県の公務員の農学や畜産学の試験科目である、植物遺伝育種学、植物病理学、作物学、蔬菜園芸学、果樹園芸学、畜産学概論などの専門科目も開講しています。
なお、県立広島大学は、「課題探究型地域創生人材」の育成を人材育成目標にあげています。さまざまな「地域」で卒業生が活躍しています。
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