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【生命科学コース】キノコ由来成分の2-Aza-8-oxohypoxanthineが美白作用を示すことを報告(齋藤教授)

印刷用ページを表示する 2024年4月19日更新
AOH

【発表論文】

Inhibitory Effect of 2-Aza-8-oxohypoxanthine on Tyrosinase Activity and Melanin Production

Cosmetics 2024, 11(2), 43; https://doi.org/10.3390/cosmetics11020043

 

【内容の要約】

 コムラサキシメジ(Lepista sordida)の菌糸体栽培ろ液から、植物成長調節物質として2-アザ-8-オキソヒポキサンチン(2-Aza-8-oxohypoxanthine(AOH))が本論文の共著者である静岡大学農学部(兼)静岡大学キノコ科学研究所 河岸洋和特別栄誉教授により発見され、ヒト皮膚表皮細胞における細胞賦活やバリア機能強化、ヒト臨床試験でのバリア機能、肌水分量、肌明度、キメ改善効果がすでに報告されていました。しかしながら、皮膚を構成する細胞の一つであり、肌の黒化やしみに関わるメラニンを産生するメラノサイトに対するAOHの影響については不明のままでした。

 そこで今回、細胞機能制御学研究室(齋藤教授)とビタミンC60バイオリサーチ株式会社(東京都)、河岸特別栄誉教授との共同研究により、メラノサイトにおけるAOHの効果について検証を進めたところ、AOHがメラニン産生抑制作用を有していることを新たに見出すことに成功しました。また、論文ではAOHの安全性についても化粧品原料として問題がないことを報告しており、AOHは表皮細胞への効果に加え、メラノサイトに対してメラニン抑制(美白)作用も有する新たな化粧品成分として今後の応用が期待されます。

 本論文にはこの研究に貢献した細胞機能制御学研究室の学生3名(水野さん、大西さん、岩津さん)も共著者として名を連ねており、論文発表以前にも日本農芸化学会2023年度大会(広島)において「フェアリー化合物(2-aza-8-oxohypoxanthine)のB16メラノーマ細胞に対する紫外線傷害防御効果およびメラニン産生抑制効果 Suppressive effects of 2-aza-8-oxohypoxanthine on UV-induced cell injury and melanogenesis in B16 cells」として研究発表を行っています。

 

*この記事は、令和6年度(第65回)科学技術週間(令和6年4月15日~21日)の一環も兼ね、生命科学コースで行われている研究活動の一端を紹介しています。

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<関連リンク>

齋藤研究室のHP

動画による研究紹介

教員インタビュー記事