生命科学科応用生命科学コースでは,4月に研究室に配属された3年生を対象に研究に必要な技術を習得することを目的として各研究室で応用生命科学実習(水曜日,3〜5限)を実施しています。今週は荻田教授(植物細胞工学研究室),八木研究室(分子機械学研究室),斉藤研究室(細胞機能制御学研究室),阪口研究室(微生物学研究室)の実験風景を紹介します。
【荻田研究室(植物細胞工学研究室)】
植物細胞工学研究室では,植物幹細胞の分化制御を可能にする技術の開発や応用に関する研究を行っています。応用生命科学実習では,基本的な植物組織培養や細胞観察,代謝活性評価方法などを学ぶと共に,研究プロジェクトへの参画など外部の方と接して経験を積む機会を提供しています。
培養した植物組織の形態観察風景:クリーンベンチ内に設置した顕微鏡&モニターセットの操作方法や観察のポイントを学びます。
培養細胞の代謝能力をTLC(薄層クロマトグラフィー)にて検出・評価する方法を学びます。ドラフト内にて,噴霧器で試薬をスプレーしている様子です。日々鍛錬してください。
ラボを離れてフィールドワークの1コマ(クマザサの採取風景),本年度は地域戦略協働プロジェクト(三次市作木):野草等の地域資源を活用した入浴剤の開発研究に参画しており,3年生もプロジェクト会議に参加させていただきました。
江の川カヌー公園さくぎ での会議の1コマ,良い経験になったようです。
【八木研究室(分子機械学研究室)】
私たちは,生物の大きな特徴のひとつ「動く」ということに興味を持ち,その仕組みの研究をしています。具体的には,モデル生物,緑藻クラミドモナスを用いて,鞭毛・繊毛の運動機構を調べています。小さな生物が健気に運動する様子を顕微鏡で観察して感動する,というのが私たちの研究の原点です。
培養中の緑藻クラミドモナスの観察
みんなまじめに観察していますね。
培養したクラミドモナスを顕微鏡で観察する様子
顕微鏡の扱いに不慣れな3年生を4年生が心配そうに見ていますね。
【齋藤研究室(細胞機能制御学研究室)】
細胞機能制御学研究室では,様々な病気や老化などに関わる活性酸素をコントロールすることで細胞の機能低下や細胞死を制御することを目指しています。応用生命科学実験では,必要試薬の作製方法,ヒト由来細胞の培養法などを習得すると共に細胞の機能評価に必要な基本的な技術(細胞観察,細胞染色,細胞傷害性評価法など)を身につけます。基本的な手技をマスターし,最終課題に合格したら,それぞれの研究テーマを決めて卒論研究に取り組んでいきます。
ヒト培養細胞を使った実験・観察風景です。
ヒト培養細胞に対する傷害性や有効性を評価します。
【阪口研究室(微生物学研究室)】
微生物学研究室では,微生物とメタル・元素に関する研究,バイオテクノロジーを用いた環境・生態系工学に関する研究,および極限環境からの新規微生物の探索に関する研究を主に行っています。応用生命科学実験では上記研究に必要な基本的技術を習得します。
セレン酸還元菌を線画した寒天培地にパラフィルムを巻いているところです。
花から採取した野生酵母を寒天培地に線画しているところです。
寒天培地に線画した菌が繁殖しているかどうか観察しているところです。