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所属:地域創生学部地域創生学科地域文化コース 職位:教授 学位:博士(文学)
研究室:県立広島大学広島キャンパス1914号室
E-mail:nisimoto@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/read0021415
研究の柱はふたつあります。ひとつは中世は王朝物語の研究、とりわけ『とりかへばや』については伝本研究、成立論を軸に研究を進めてきました。もうひとつは地域文化研究。毛利氏周辺の文芸活動の解明に取り組んでいます。また、古典籍の伝存状況の調査などから、江戸期の広島地域の古典享受について研究しています。
『とりかへばや』を中心とする中世王朝物語の研究、物語享受資料の研究、平家文化圏の研究、地域に伝わる古典籍等の調査・研究、毛利氏周辺の文芸活動についての研究、江戸時代の広島の文化活動についての研究、宮島に関わる文芸資料の調査・研究など
ひとつ目の研究の柱は物語文学、特に中世王朝物語の研究です。『とりかへばや』については、伝本研究、成立論を軸に、物語の享受の歴史の解明に努めてきました。近代以前は出版されることこそありませんでしたが、多くの伝本が写本の形で伝わっています。その背景に和学の隆盛があったことを明らかにしました。また、多様な生き方が認められるようになった現代では、この物語が大きな注目を集めています。どのような点が評価されているのか、成立の契機を振り返りながら改めて考えています。
もうひとつの研究の柱は地域文化研究です。大内氏の旧臣大庭賢兼に注目して、毛利氏周辺の文芸活動の解明に取り組んでいます。また、広島県内の古典籍の伝存状況の調査などから、江戸期の広島地域の古典享受について研究しています。
時代も扱う資料の性格も異なっていますが、いま目の前にある書物や資料を手に取った人が、どのようにその書物を読み、何を考えたのか、書物に残された痕跡からすくいあげ、今も昔も変わらない人の営みをみつめてきました。
主たる専門分野は中世王朝物語文学の研究です。特に『とりかえばや物語』の研究を長く続けてきました。全国の図書館や資料館などを訪ねて資料を見せてもらい、一文字一文字写し、読み、伝えた人の思いを探りながら、物語の魅力や書物を後世に伝えた人びとの営みについて考えてきました。
そこから発展した研究がもうひとつの柱、地域文化研究です。戦国時代の武将であれ、江戸時代の和学者であれ、広島城下の文人であれ、一冊の書物を手にした人びとの営みと思いを少しずつすくい上げてきました。「古典籍や資料を調べることを通じて人びとの営みを見つめる」ことが目的です。
先人の知恵、先人が育んだ豊かな文化的土壌の延長線上に、私たちが生きている「いま」があります。時空をこえて、生き続けている文化のひとつが古典です。中央で享受されていた文化はやがて地方へ伝播します。これも古典享受のひとつのかたちです。
書物や資料を通じて先人と対話することで思索が生まれます。古典との対話、文学研究、地域文化研究にチャレンジしてみてください。
なお、卒業生は一般企業のほか、教員免許(国語)を取得して中高の教員として教育現場で活躍しています。大学院進学者の多くは専修免許を取得しています。
国文学研究資料館の調査員として文献調査に携わってきた実績、広島県内の自治体や文化施設と連携して行った資料整理の実績を踏まえて、各地域に伝わる古典籍の整理や目録作りなどへの協力、助言が可能です。
また、県内の図書館や博物館、資料館、公民館などで講演や公開講座を行ってきました。自治体や関連する文化施設、団体等と連携して、生涯教育に関わる各種講座の企画・実施に携わった実績もあります。お気軽にご相談ください。
日本古典文学、中古文学、物語文学、中世王朝物語、『とりかへばや』、地域文化学、毛利氏文化圏、大庭賢兼、古典籍等