本文
大古場良太助教、岡村和典講師、金井秀作教授、長谷川正哉教授による研究成果が、国際学術誌「Gait & Posture」に掲載されました。
昨年度に続き、2年連続で同誌への研究論文掲載となりました。
本研究では、健常成人男性22名を対象に、足底への荷重位置を誘導する3つの方法(ウェッジインソール、言語指示、知覚入力型インソール)を用い、一歩踏み出す動作(ステッピング動作)中の足圧中心(COP)と膝関節内転モーメント(KAM)を三次元動作解析により検討しました。
その結果、知覚入力型インソール(PSI)を使用した条件では、足底の内側と外側への荷重誘導に対応した膝関節内転モーメントの差が、他の2条件よりも有意に大きいことが確認されました。 この結果は、足底への感覚刺激を活用した荷重誘導が、膝関節に作用する力学的負荷を調整するための有望なアプローチとなり得ることを示唆しています。
PSI使用時に特徴的な膝関節の力学的応答が認められたことは、足底感覚を活用した新たな荷重制御技術の開発や、リハビリテーションへの臨床応用につながる基礎的知見として期待されます。
論文情報
Ryota Okoba, Kazunori Okamura, Shusaku Kanai, Masaki Hasegawa.
Directional contrasts in center of pressure and external knee adduction moment during stepping with wedge insoles, verbal instructions, and perceptual plantar cues: An exploratory within-subject study.
Gait & Posture, 132,110664. DOI:https://doi.org/10.1016/j.gaitpost.2026.110664
Gait & Posture(Impact Factor:2.7、CiteScore:5.3、いずれも2025年の指標)は、理学療法分野を代表する「歩行・姿勢」に関する国際学術誌であり、運動器理学療法・バイオメカニクス領域の研究成果が多数掲載されています。
大古場良太助教と長谷川正哉教授の研究グループでは、足底感覚を活用した「知覚入力型インソール」(特許第7576893号)の臨床応用に向けた研究を継続しています。2025年には、変形性膝関節症患者を対象として、知覚入力型インソールを用いた歩行修正により膝関節内転モーメントが減少することを同誌で報告しました。今回の論文は、これに続く研究成果であり、足底への感覚刺激と膝関節の力学的応答との関係について、新たな知見を示したものです。
今後も研究グループでは、知覚入力型インソールによる荷重制御の仕組みの解明と、臨床応用を目指して研究を進めていきます。