ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 生物資源科学部 > 【生命環境学科生命科学コース】福永教授の総説論文が国際誌Plantsに掲載

本文

【生命環境学科生命科学コース】福永教授の総説論文が国際誌Plantsに掲載

印刷用ページを表示する 2024年1月17日更新

 福永教授の総説論文(review article)が国際誌Plantsに掲載されました。

Fukunaga, K. and M. Kawase (2024) Crop Evolution of Foxtail Millet. Plants 13:218  https://doi.org/10.3390/plants13020218(Journal Impact Factor =4.5)

   招待論文として執筆し査読を経て掲載されました。

 

 雑穀の一つであるアワは、黄河文明の主食であったともいわれ近代以前までは世界中で重要な作物であったと考えれています。世界中のアワがどのような類縁関係にあるのかに加え、モチ・ウルチを決定する遺伝子出穂期に関わる遺伝子ポリフェノールの酸化に関わる遺伝子栽培化に重要な脱粒性の遺伝子など、自分自身の研究を含んだ世界の研究者のこれまでの成果について取りまとめました。

 我々の文明に礎になるのは、1万年から数千年前の農耕の開始ですが、福永研では、作物がどのように野生種からうまれたのか?起源地から広がる過程で環境への適応や人への嗜好性に応じてどのような遺伝子に選抜がかかったのかについて、遺伝学の研究を行っています。過去数千年、われわれはどのようにして環境に対応してきたのか?という問いは、先の見えない環境変動にどのように立ち向かっているのかにもつながってきます。

 

 なお、雑穀のひとつのアワを研究材料に用いていますが、雑穀などの、かつては重要であったが現在は栽培が減っている作物を見直そうという動きがあります。

 昨年、2023年は、FAO(国連食糧農業機関)の定めた国際雑穀年(International Year of Millets)でした。

 人口増加や気候変動など先が見えない中、イネ、コムギ、トウモロコシなど主穀類だけではなく、ストレスに強く栄養価に富む雑穀類が世界的に注目されています。また、「未来の学術振興構想(2023年版)」のグランドビジョン4:地球の生命環境と食料供給を持続させるための学術創生 でも顧みられない未利用種(NUS)の遺伝的改良に基づく持続可能なagro-ecosystemの確立 (PDF:481KB)として雑穀類など「顧みられない未利用種(neglected and underutilized species:NUS)」が注目されています。

 

 

 なお、アワの祖先野生種は路傍や空き地に見られるエノコログサですがこちらについても研究を行っています。特に、海岸に生えるハマエノコロについて、他大学と共同研究を行っています。

 

なお、本論文に出版にあたり、令和5年度 研究成果発表助成(県立広島大学)を受けました。

また、研究成果は部分的に科研費(20K0609823K05279)の助成を受けています。

アワ栽培


SDGs2
SDGs3
SDGs13

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)