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【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声-齋藤研の卒業生(1)

印刷用ページを表示する 2022年6月24日更新

  福永研究室山下研究室稲垣研究室阿部研究室に続き庄原キャンパス 生命科学コースの卒業生の声をお届けします。

 卒業生たちが社会でどのように活躍しているかを紹介する“【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声"、今回は齋藤研究室(細胞機能制御学研究室)から卒業生の声をご紹介します。
 研究室の卒業生たちですが、生命科学の分野にとどまることなく様々な分野で活躍しています。大学での専門に関わる分野に進んだ者、異なる分野にチャレンジする者、結婚などの節目を機に新たな道を歩む者、人さまざまですが、その一部をご紹介します。

中和 篤さん (東洋ビューティ株式会社、生命環境学部生命科学科卒業) 

中和さん

中和 篤さん (広島市立安佐北高等学校卒 2014年3月生命環境学部生命科学科卒業、2016年3月総合学術研究科生命システム科学専攻博士課程前期修了) ​​

Q1 今はどういうお仕事をされていますか?

  東洋ビューティ株式会社という化粧品ODM / OEM(※)の会社で働いています。研究開発本部で基礎化粧品の研究開発職に3年間従事した後、佐賀工場の生産現場で化粧品原料の購買職に就き3年目になります。化粧水や乳液、シャンプー、クレンジングなど幅広い化粧品の研究開発・生産に携わっています。研究開発職では多くのニーズに応えた化粧品や思い描いた化粧品を試作でき、やりがいをもって働いていました。また佐賀工場の生産現場でも、自社で開発した化粧品が製品として日常で使用されることにやりがいをもって働いています。

※OEMとはOriginal Equipment Manufacturingの略称であり、ブランド(販売会社)から委託され、製品の製造を行う事業のことです。また、製品の設計・開発(Design)から行う事業をODM(Original Design Manufacturing)といいます。私の勤めている会社はODM / OEM両方を行っています。

 

Q2 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされていましたか?

 学部卒業後、大学院へと進学し、卒業論文のテーマを継続することで研究を深めていきました。アンチエイジングに関心があったので、齋藤研究室で学ぶ細胞機能制御学はとても興味深いものでした。硬式テニス部に所属しており、部活や研究室のメンバーと毎日楽しく過ごしていました。

中和さんの学部・大学院での研究成果が貢献した論文
The influence of cellular senescence on intracellular vitamin C transport, accumulation, and function.
Mol Cell Biochem. 2018 Sep;446(1-2):209-219. doi: 10.1007/s11010-018-3287-y. 
Resveratrol potentiates intracellular ascorbic acid enrichment through dehydroascorbic acid transport and/or its intracellular reduction in HaCaT cells.
Mol Cell Biochem. 2020 Apr;467(1-2):57-64. doi: 10.1007/s11010-020-03700-2. 

 

Q3 庄原キャンパスで学んで他の県で就職していますが、広島への思いは?

 地元が広島なので長期休暇の際に帰省すると、とても落ち着きます。また、仕事で本社・支店や工場のある大阪・東京・三重・栃木・佐賀など様々な場所で働いたので、変な方言になってないか不安になっています(笑)。

 

Q4 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせていますか?

 化粧品の会社ということもあり、研究室で学んだ老化や皮膚保護(美白・抗しわ)についての知識は機能性評価に活かされています。また、機能性成分の作用やメカニズムに関する知識や研究経験は化粧品開発という場において大きなアドバンテージとなりました。化粧品原料を取り扱う際には、学生時代に学んだ有機化学などの理系の基礎知識が活用できます。あと、あがり症な性格だったため、学会など大きな場での発表は、精神的にも成長でき、良い経験となりました!

 

Q5 最後に何かひとこと

 私は研究の中でやりたいことが見つかり、化粧品の仕事に就きました。様々な職種の中で、私のように大学時代に学んだ内容が仕事に直結しているケースばかりでは無いと思います。しかし、専門知識のみならず、基礎知識や様々な経験、社交性を活かす機会は多く感じます。何事にも前向きにチャレンジしてみてください。

 

福田大智 さん (株式会社ハイテックシステムズ、生命環境学部生命科学科卒業)

福田さん

福田大智さん (香川県立観音寺第一高等学校卒 2019年3月生命環境学部生命科学科卒業、2021年3月総合学術研究科生命システム科学専攻博士課程前期修了) ​​

Q今はどういうお仕事をされていますか?

 岡山県のIT企業に勤めており、自治体をお客様としてシステムの導入や運用保守の業務に携わっています。具体的には、児童手当や児童扶養手当、医療費助成といった福祉に関するお客様の業務を支援すべく、システムの導入や導入後の保守作業を行っています。また、市町村独自の制度がある場合は、お客様と一緒に対応策を考えたり、システムの改修を行うことで、お客様が円滑に業務を行うことができるようサポートしています。県独自制度もあれば、市町村単位での独自制度もあるため制度や運用を理解するまでが大変ですが、お客様に喜んでいただけることをやりがいに頑張っています。

 

Q庄原キャンパスでの学生時代はどういう風に過ごされていましたか?

 学生時代では、学業はもちろん、部活やアルバイトなど色々な事を詰め込んだ日々を過ごしていました。特に部活動では、軽音楽部に所属し、色々なアーティストのコピーバンドに参加し学内外のライブに出演してきました。また、研究室では、ヒト由来の老化した細胞に対して、様々な化合物を加えることでどのような変化がみられるか研究してきました。当時の老化研究で最先端の分野に取り組むことができたため、色々苦悩はありましたが、とても刺激的な経験を得ることができました。

 

Q庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせていますか?

 学部や大学院で学修してきた内容とはかけ離れた分野であるため、全然活かせてないように思うかもしれません。しかし、生物の仕組みとプログラミングの根本的な考え方が似ていることから、個人的には今の分野に活かせていると考えています。また、研究を通じて身に着けた問題解決能力も、システム導入や保守作業時のエラー解決時の考え方に役立っていると感じています。

 

Qほかの都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?広島から離れて広島への思いは?

 入学して当初は、正直すごい田舎だなっていう印象で、一時編入も考えていました。しかし、この環境だからこそ色んなことに全力で挑戦できると考え、学業や部活、アルバイトなどに取り組むことができました。その経験と思い出があるからこそ、今では広島、特に庄原という場所は思い出深い場所になっています。あと冬のシーズンはよくスノーボードをしに庄原市に訪れたり、夏のシーズンは星を見る、備北丘陵公園のBBQハウスに行きたいと思うなど、庄原での楽しみがものすごく増えた気がします。

 

Q最後に何かひとこと

 私は入学当初、ただ漠然と大学を卒業することを目的に入学しましたが、どうせなら今の内にやれることはやろう、という精神で学業だけでなくアルバイトや部活、大学祭実行委員など色々なことに全力で取り組んできました。振り返れば、庄原キャンパスの色々な挑戦ができる環境下だからこそ実現できた学生生活だと考えています。また、その経験の中には成功もあれば色々な人に迷惑をかけてしまったことや様々な失敗、挫折も多くありましたが、今では自身を成長させてくれるかけがえのないものとなっています。こういった経験や学びは、自分の時間を多く確保できる大学生の内にしかできないものであり、かつ庄原キャンパスのような挑戦できる環境だからこそ経験できるものだと私は思います。ぜひ庄原キャンパスで失敗を恐れず挑戦し、多くの事を学び成長していってください。

 

光安 楓さん (栃木県真岡市役所、生命環境学部生命科学科卒業)

光安さん

光安 楓さん (茨城県岩瀬日本大学高等学校卒 2013年3月生命環境学部生命科学科卒業)

Q今の仕事について教えて下さい

 地元の栃木県にある真岡市役所で勤務しています。現在は4月に新設された総務部デジタル戦略課に所属しています。市の行政サービス向上を目的に、デジタル化を手段として仕事の仕方や働き方を変え、組織の変革であるDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めています。また、DXの意識醸成のための人材研修を主に担当しています。

 

Q学生時代はどのように過ごしましたか?

 学生時代は、ラグビー部(マネージャー)とスノーボードサークルに所属していました。庄原キャンパスはほとんどの学生が一人暮らしのため、サークル活動や部活動の友人同士で集まることが多く、いろんな地方の友人と交流することができました。齋藤研究室でも、仲間に恵まれ、うまくいかない時もお互いに励ましあいながら研究を進めることができました。去年の7月に行われたオンライン同窓会では、久しぶりに先生の顔や研究室メンバーの顔が見ることが出来て本当にうれしかったです。

 

Q大学で学んだことは今の仕事にどのように活かせていますか?

 研究室では、毎日コツコツ研究し、参考文献を調べ、失敗の原因を考えながら進めていました。培養していた細胞が全滅した時は、絶望を感じましたが、メンバーたちとひとつずつ試行錯誤しながら作業を行いました。現在の仕事は、日々新しいデジタルツールを学んだり、他市の状況や事業を調べたりすることが多いです。まだ新設されたばかりの部署なので、前例に沿った仕事はありません。「本市に最適なDXとはなにか?」と日々考えながら仕事をしており、試行錯誤しながら粘り強く進める姿勢は、学生時代の研究経験を活かせています。また、人材研修も担当しているので人前で話すことが多いのですが、卒論発表や研究室での発表報告会の時に学んだ、要点をまとめ簡潔に説明するということも役立っていると感じています。

 

Q他の県から広島に来て、どうでしたか?

 私は栃木県出身で、大学入学後、はじめて広島県に来ました。卒業後は、広島県内の民間企業や県内の自治体職員を経験し、結婚出産を経て栃木県に戻りました。広島駅から芸備線に乗り、備後庄原駅に着くまでにどんどんと田舎になる光景は、とても心細く感じたことを覚えています。今振り返ると、田舎という環境だったからこそ、学業に専念することや友人たちと濃い時間を過ごすことができたと思います。また、卒業から約10年が経ちますが、今でも家族同士での交流が続くなど、生涯の友人達にも出会うことが出来ました。
 広島を離れて4年が経ちますが、広島が大好きになりました。もう少し子供が大きくなったら、家族でまた広島へ旅行したいと考えています。

 

Q最後にひとこと

 学生生活は、社会人の今の生活と比べるとたくさん時間があったなと思います。もっと好きなことや興味のあることに挑戦したらよかったなと思っています。友人や後輩、先生方だけでなく、地域の人や色々人と交流し、自分の興味をどんどん広げてみてください。将来自分がどんな生活をしたいか、何を大事にしたいかなど、働き方を考える時にきっと役に立つと思います。ぜひ県大で、自分の幅を広げてみてください。

 

桝本 葵さん (三協化学株式会社、生命環境学部生命科学科卒業)

桝本さん

桝本 葵さん (愛知県立安城東高等学校卒 2014年3月生命環境学部生命科学科卒業)

Q 今はどういうお仕事をされていますか?

 三協化学株式会社という有機溶剤のメーカーで営業職をしています。化学メーカーと言っても、化学プラントで大規模に化学品を製造しているわけではなく、一斗缶・ドラム缶などのサイズで各種有機溶剤や洗浄剤、シンナー、剥離剤など小分け・ブレンド品を製造しています。卒業後すぐに現職に就いたわけではなく、新卒で入社した求人広告の会社を1年で退職し、今の会社に転職しました。学部で学んでいた知識とは違いますが、何かしら理系の知識を生かしたかったというのが転職の大きな理由でした。

 

Q 庄原キャンパスでの学生時代はどのように過ごされてましたか?

 研究室では、水素と白金(Pt)を用いたヒトがん細胞の増殖抑制効果のメカニズムについて研究していました。庄原キャンパスでは3年生からゼミに配属されますが、私は当時アメリカフットボール部に所属しており、同時期に部長になりました。そのため、一時期は週5日ゼミ、週4日部活(部長としてのチーム運営)、週3-4日アルバイト(塾講師、警備員)をしており、休みなく慌ただしい日々を過ごしていました。その甲斐あってか、社会人になった今の方が生活は楽に感じます(笑)。

 

Q 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせていますか?

 大学で学んだことが生物で、現在は化学に携わる仕事なので、今のところ直接的には関係していませんが、今年から会社の企画開発を行う部署のリーダーになったので、大学で培った知識をどこかで生かせないかと、新しい商品・ビジネスを考えるためにアンテナを張り巡らせています(勤め先が中小企業のため、営業職以外にも複数の仕事を兼務しており、企画開発は兼務している仕事のうちの1つです)。

 

Q 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?広島から離れて広島への思いは?

 庄原に来た当初はあまりの田舎具合に衝撃を受けました。しかし、田舎で他にやることがない環境だからこそ、勉強や研究にも、部活にもしっかりと打ち込めたのだと思います(有難いことに勉強では学科の成績優秀者として表彰頂きました)。また、部活を通して現在の妻(当時アメフト部のマネージャー)と家庭を持つことができ、私にとって庄原という場所自体が思い出の詰まった第二の故郷のようなものとなっています。卒業後も何度か庄原キャンパスには行くこともありました。今でも時々、無性に行きたくなる時があります。

 

Q 最後に何かひとこと

 大学生時代は人生で差が付きやすい貴重な時間だと思います。自由度が高い一方で、その選択により何倍もの差が付きます。勉強に励む人、バイトに打ち込む人、とにかく遊ぶ人などその選択に正解・不正解はありませんが、私自身「もっと頑張れたな」「もっと色んなことに触れるべきだったな」と後悔することがあります。4年間という期間は長いようで短いです。受け身にならず、果敢に色んな事に挑戦し、悔いのない4年間を過ごして頂ければと思います。

 

村田あゆみ さん (静岡市立高等学校、生命環境学部生命科学科卒業)

村田さん

村田あゆみさん (静岡県立静岡高等学校卒 2015年3月生命環境学部生命科学科卒業) ​​

Q 今はどういう仕事をしていますか?

 静岡県の高校で理科の実習助手として働いています。簡単にいうと、理科の実験の先生です。高校の先生は教科担任制ですが、私の仕事は理科の実験なら化学・生物・物理・地学すべてやります。先生たちは授業を受け持つ担当のクラスがありますが、私は全校生徒が対象です。現在働いている高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)認定校なので実験がとても盛んです。また、前任校では副担任や野球部の副顧問も経験させていただきました。*現在育休中

 

Q 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされましたか。

 研究室に配属される前は主にバレーボールの部活動とアルバイトをして過ごしていました。3年生になり研究室に配属されてからは、土日に学校へ行って研究を進めることも増えました。誘惑が少ない分、まじめに勉強をしていたと思います。細胞機能制御学の研究室で細胞老化について研究していました。生きている細胞を扱っていたので、細胞が思うように育たなかったり、死なせてしまったりしてなかなか計画通りに進まず苦労した記憶があります。その分、実験で結果が出た時は嬉しく、自分のやりたい研究ができて充実した研究室生活を送っていました。

 

Q 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせていますか?

 実験で使用する試薬の計算から実験機器の取り扱い、廃液の処理まで今の仕事に活かせていることが多いです。学生実験はほぼ準備で実験が成功するか決まるので、予備実験をしたり、生徒がどこで苦戦しそうか予測したり、生徒が失敗してもやり直せるように余分に試薬を用意したりしています。大学時代の研究室での実験でも予想を立てて試薬などを用意し、実際に実験して結果が出て、それを受けて次にどのような実験を行うかということを繰り返していました。実験に限ったことではありませんが、準備して起こりそうなことを予想して、結果を受けて反省点を次の機会にどう活かすかという一連の流れは今の仕事と重なるものがあります。

 

Q 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?広島から離れて広島への思いは?

 カープの試合がある日は必ず地上波でカープ中継があり、試合の翌日は当たり前のように昨日の試合のことを話題にする広島のカープ愛の強さに影響され、あっという間にカープ女子になりました。今でも1年に一度は静岡からマツダスタジアムへ試合を見に行きます。これから息子もカープに染める予定です(笑)。広島は私の第2のふるさとです。

 

Q 最後に何かひとこと

 自分の好きな分野の勉強が心置きなくできることはこの上ない幸せです。社会人になり仕事と育児に追われる毎日を送っていますが、学生の頃は時間があるありがたみが分かっていませんでした。是非学生の内に好きなことをとことん追求してください。