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【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声-福永研の卒業生(2)

印刷用ページを表示する 2022年11月1日更新

  卒業生たちが社会でどのように活躍しているかを紹介する“【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声"、今回は、植物遺伝育種学を研究している福永研から、三菱ケミカル株式会社に勤務しておられる末廣祥平さん、三重県名張市役所に勤務しておられる井上賢彦さん、株式会社・大進本店に勤務しておられる桝本尚人さんです。

末廣祥平さん(三菱ケミカル株式会社、生命環境学部生命科学科卒業) 

末廣さん

写真はNITE時に生物多様性条約会合に参加した時

末廣祥平さん(兵庫県立西脇高等学校 2014年生命環境学部生命科学科卒業) 

Q 今はどういうお仕事をされてますか?

 現在、三菱ケミカル株式会社で食品・ニュートリションチームにおいて、乳酸菌の開発やマーケティングに関わる業務に携わっています。具体的には、機能性表示食品取得のための臨床試験の計画や実施、海外展開のため米国の展示会に出展、企業との協業模索、海外の当局へ食品原料としての安全性評価書類などを作成しています。最初は、NITEという独立行政法人で勤務、経済産業省への出向、シンジェンタジャパン株式会社で遺伝子組換え作物や微生物のリスク評価等の業務を経て現職に就いています。

 

Q 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされましたか?

 野球部、バスケットボールサークルに所属し、土日は野球やバスケの試合、平日はバイトや友達の家で鍋パーティなど充実した生活を送っていました。車を持っている人が多かったので、島根、鳥取、山口、高知、愛媛までキャンプに行ったり、ご当地グルメを食べに行ったりしていました。小旅行もいろいろと行きました。車の中で友達と話したり、ドライブも楽しみの1つでした。3年生からは研究室での実験や図書館で公務員試験の勉強して過ごしていました。

 

Q 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせてますか?

 これまで学んだ戻し交配などの育種学、遺伝資源、植物に関する知識や実験の経験が、遺伝子組換え作物の安全性評価、遺伝資源と利益配分の名古屋議定書、ゲノム編集作物への規制枠組みの検討などの業務に非常に役に立ちました。現職では、微生物、免疫、生物統計に関する知識も活かすことが出来ているので、大学時に幅広く学ぶことができて良かったです。

 

Q 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?離れても広島への思いは?

 想像していたよりも、私を含む県外出身の方も多く、各地方の慣習や方言の話が聞けて面白かったです。また、庄原キャンパスは美しい自然に囲まれているので、教室、研究室、食堂でも天気が良いと清々しい気分で心地良かったです。今でもふと恋しいなと思うことがあります。学部の人数もそこまで多くないため、先輩、後輩との交流も頻繁で、色々な方と繋がりができたことも自分にとって良い刺激でした。

 

Q 最後に何かひとこと

 庄原キャンパスで生命科学に関する幅広い知識を学ぶことが出来ます。学んだ知識を仕事でアウトプットすることでやりがいを感じています。他の大学と比べて、学部の人数も多くないので、先生との距離が近く、研究室でも手厚いサポートや先輩に相談できる点も良い点の一つだと思います。

井上 賢彦さん (三重県名張市役所、生命環境学部生命科学科卒業)

井上さん

井上 賢彦(三重県立名張西高等学校(現 名張青峰高等学校)卒 2011年3月生命環境学部生命科学科卒業、2013年3月総合学術研究科生命システム科学専攻博士課程前期修了)

Q 今はどういうお仕事をされてますか?

  修士課程を終えた後、出身地の市役所に入庁しました。入庁後は、農林業を所管する部署に配属になり、主に獣害対策を担当していました。農作物を荒らす動物への対策を農業者の方に助言したり、実際にシカやイノシシ等の捕獲もしました。その後、2年間厚生労働省老健局に出向し、国での意思決定の場に携わっていました。現在は市役所に戻り、生活保護のケースワーカーとして被保護者の自立を支援しています。

 

Q 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされましたか?

  もともと遺伝子に興味があったので、アワのフェノール反応の差異に関連する変異についての課題を与えてもらい、PCRや電気泳動を毎日のようにやっていました。原因となっている変異を見つけた際には、うれしかったことを覚えています。

  また、岡山大学での共同研究や育種学会への参加の機会を与えていただき、他の研究者の方の考え方にも触れることができました。

 

Q 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせてますか?

  私の専攻内容が直接仕事に活かされたことは、市議会で遺伝子組み換え作物についての質問があった際の1度だけです。しかし、自分の行った研究内容をまとめて、内容を知らない人に対して発表した経験や科学論文を読んだり書いたりしたことによる論理的思考・文章展開は、社会人になってからも十分活かされていると感じます。

 

Q 他の都道府県から庄原キャンパスに来られていかがですか?離れても広島への思いは?

  私の出身地も都会とはいいがたいところですが、庄原はそれ以上の田舎であることに愕然としたのを覚えています。出身地への愛着から、地元に戻ることを選択しましたが、「広島に住むのもいいな」と考えたこともありました。もともと野球観戦が趣味でしたが、広島に住んだことにより、カープを応援するようになりました。広島を離れてからもビジター応援はもちろん毎年マツダスタジアムに観戦に行っています。阪神ファンが多い職場でしが、私のデスクがカープグッズであふれているので、職場ではちょっと有名です(笑)また、春夏の甲子園も広島県代表にはついつい注目してしまいます。

 

Q 最後に何かひとこと

 庄原は遊ぶ場所が少ないところですが、やりたいことを集中してするにはピッタリの環境だと思います。勉強や研究活動をするもよし、バイトをするもよし、部活をするもよし、楽しみ方は自分次第です。大学生の期間をどう過ごしたかで、その後の社会人としての生活にもつながってくると思います。存分に楽しんでください!!

 

桝本尚人さん(株式会社大進本店、 生命環境学部生命科学科卒)

桝本さん

桝本尚人さん(広島県立安芸南高等学校 2016年生命環境学部生命科学科卒)

Q 今はどういうお仕事をされてますか?

 冠婚葬祭に関連するギフト、記念品の販売に携わっています。老若男女問わず、ご来店いただくため、人生の勉強にもなります。
ギフトアドバイザーとして、地域によって異なるしきたりや風習を学び、お客様の「?」に的確に応えていく事で、心からの「ありがとう」の言葉をいただく事ができ、地域の方々に頼りにされる仕事です。

 

Q 庄原キャンパスでの学生時代はどういうふうに過ごされましたか?
  勉学ではより深くそれぞれの科目を学べ、庄原という環境的にも勉学に励むことができました。学んだことを研究に活かしていく楽しみも体験できました。
  サークルではエスキーテニス部で部長を務めさせていただき、充実した日々を過ごせました。また、上の代、下の代と繋がりを持つことでより有意義な時間を過ごすことできたことはいい思い出です。
 バイトではコンビニ、選挙に関連したバイト、雪かきなどさせていただきました。仕事をしてお金を頂き、欲しいものを買ったり、遊びに行ったりすることで、働く楽しみを感じました。また、こんな仕事があるんだと社会勉強にもなりました。

 

Q 庄原キャンパスで学んだことは今のお仕事などにどのようにいかせてますか?

  研究は成功することより失敗の方が沢山あります。しかし、失敗は成功のもと、人間万事塞翁が馬という言葉があるように、ダメだと思っていたことが、成功の道につかながることもあります。こういった心の持ちようを研究室での卒論研究から学びました。
  また、ちょっとした事でも継続することにより、できなかったことでも、できるようになった時の楽しさを学べたことは、今の仕事に活きています。
 
Q 学生が他の都道府県からの人も多いですがどうでしたか?
  自然が豊かな庄原でも、多くの都道府県から来ている学生もいて、初めは驚きました。でも時間が経つと、そこまで気になることはない思います。その中でも、色んな地域の話を聞くことが出来て楽しい思い出があります。また、方言とかイントネーション、その土地の有名な食べ物などの話が盛り上がりました。


Q 最後に何かひとこと

 大学の勉学はもちろん疎かにしてはいけませんが、勉学だけするのではなく、サークルやバイトなどで人間関係の幅を広げていけたら、卒業後も充実出来る日々になると思います。また、大学生は時間が沢山あるので、そういった時にしかできない事もしていけたらいいと思います。


 福永研では卒論・修論などで行った研究のいくつかは成果として国際誌などに論文としてまとめられています。理系の研究は、まさにアクティブラーニングそのものであり、プロジェクトベースラーニング(PBL)であります。また、広島県内で植物育種学の研究室があるのは、県立広島大学生物資源科学部生命環境学科生命科学コースだけです。

  以下は今回の3人の皆さんと一緒に研究して国内外の学術誌に掲載されたものです。

Takahiko Inoue, Takahisa Yuo, Takeshi Ohta, Eriko Hitomi, Katsuyuki Ichitani, Makoto Kawase, Shin Taketa, Kenji Fukunaga (2015) Multiple origins of the phenol reaction negative phenotype in foxtail millet, Setaria italica (L.) P. Beauv., were caused by independent loss-of-function mutations of the polyphenol oxidase (Si7PPO) gene during domestication. Molecular Genetics and Genomics 290(4) 1563-1574 

Hisato Masumoto, Hiroki Takagi, Yohei Mukainari, Ryohei Terauchi, Kenji Fukunaga (2016) Genetic analysis of NEKODE1 gene involved in panicle branching of foxtail millet, Setaria italica (L.) P. Beauv., and mapping by using QTL-seq. Molecular Breeding 36(5) 1-8

Shohei Suehiro, Katsuyuki Ichitani, Eiji Domon, Kenji Fukunaga (2018)Genotyping of the SiDREB2 gene in worldwide foxtail millet (Setaria italica (L.) P. Beauv.) genetic resources with special attention to Indian landraces.  Genetic Resources and Crop Evolution 65 1559-1564 

Fukunaga, Kenji, M. Z. Nur, Takahiko Inoue, Shin Taketa, Katsuyuki Ichitani (2020) Phylogenetic analysis of the Si7PPO gene in foxtail millet, Setaria italica, provides further evidence for multiple origins of negative phenol color reaction phenotype. Genes and Genetic Systems 95(4) 191-199

 


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さらに詳しく知りたい人はこちら

 

生命科学コースHP

大学院生命システム科学専攻HP

 

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